施工上の注意点

アーバンルーフは厳しい品質管理のもとで生産された高機能、高性能な商品です。しかしこの品質を充分に発揮するためには、正しい施工方法が必要です。施工上のトラブル、施工後のトラブルを起こさないためにも以下の注意事項をお守りください。

1.下地の確認と調整

1-1 モルタル・コンクリートの場合

下地の勾配
  • 平場の下地の勾配は1/100〜1/20の範囲に収まるようにしてください。勾配が1/20以上の場合、不均一な防水層になり、1/100以下の場合、水溜りの発生などにより防水層の劣化が早くなりますのでご注意ください。
下地の乾燥
  • 乾燥が不十分な場合、下地と防水層の接着不良、ピンホール、フクレ等の原因となります。

    1セットあたりの最大投入量下地打設後の養生期間

    下地 養生期間の目安
    コンクリート 打設後3週間以上
    モルタル 打設後2週間以上

    ※冬期においては倍の養生が必要になります。

  • 降雨後は2日以上乾燥期間をとることを推奨いたします。
  • 部分的に湿っている場合はバーナー等でその部分を強制的に乾燥させてください。(火気を使用しますので溶剤系の材料との同時施工は絶対に避けてください)

<水分チェック方法>

  1. ケット水分計で含水率10%以下であること。
  2. 透明なシート(約1m2程度)を下地面に密着させ、シートの回りにテープを貼り付ける。日照時に数時間放置して、シート内部に水滴が付く、付かないで判断する。

※含水率が低い場合でも、急激な温度上昇の場合には、湿気の突き上げがありますので充分に注意してください。

※ドレイン廻り、排水溝は水が溜まりやすいので特に注意が必要です。

下地の確認と調整

下地の確認と調整

出入隅
  • 膜厚確保のため、出隅は面取り(5mm程度)、もしくはR=10mm以上で丸く仕上げてください。
  • 入隅は必要に応じて「アーバンルーフ クイッ急NB」にて三角シール処理をしてください。
  • 出隅、入隅ともに「Pクロス」又は「G-クロスソフトタイプ」を使用して補強張りをしてください。
浮き
  • 浮きが小さい場合には、浮いている部分にドリルで穴をあけ、エポキシ系注入材を注入してください。注入材で浮きが抑えられない場合は、はつってください。浮きがあるまま施工すると下地に伴った防水層の浮きが発生します。
クラック
  • 1mm未満のクラックは「アーバンルーフ クイッ急NB」をすり込んでください。1mm以上2mm未満のクラックはUカットして「アーバンルーフ クイッ急NB」を充填してください。2mm以上の場合にはUカットして「アーバンルーフ クイッ急NB」を充填し、更に「アーバンルーフ Gクロス」を使用して補強張りしてください。クラックを未使用のまま施工すると、防水材が破断する恐れがあります。
目地
  • 目地には必ずバッカーを入れ、「アーバンルーフ クイッ急NB」もしくは「SC-PU2NB(旧・UH-01NB)」を充填してください。
  • シーリング材硬化後、「G-クロス」を使用して補強張りをしてください。(通気緩衝工法の場合は不要です。)

下地の確認と調整

下地の確認と調整

汚れ
  • 表面に付着したモルタルのこぼれなどはケレン棒、皮スキ、サンダーなどで除去してください。
  • 表面の油分はデッキブラシ、ポリワッシャーを使用して中性洗剤で洗った後、水洗いを充分に行い、十分に乾燥させてください。
  • しみこんだ油分は切り取り、ポリマーセメントモルタルなどで平滑に仕上げてください。汚れがある場合には接着不良が発生します。
金属部との取り合い
  • 手すり金具、ルーフドレン、貫通パイプ等の金物まわりは、塗料、錆び等をはがし、モルタル等との取り合い部分をUカットしてハツり、「プライマーNo.40(CS-100)」を塗布・乾燥後、「アーバンルーフ クイッ急NB」を充填してください。
不陸
  • 凸部や突起物はサンダー等で削り、平滑にしてください。
  • 小さな凹み、欠け等はプライマーを塗布・乾燥後、「アーバンルーフ クイッ急NB」を充填してください。
  • 不陸、凹み等、下地の凹凸が激しい場合は、ポリマーセメント系下地処理材にて平滑に調整してください。(塗布後の乾燥期間は充分に取ってください。)これを充分に行わない場合、意匠上の問題(非平滑、ピンホール、フクレ等)や膜厚の確保に支障をきたすことがあります。
脆弱層
  • レイタンス、劣化等で表面がもろい部分は、ケレン棒、サンダー、金ブラシ等で除去し、固くて丈夫な下地を出してください。脆弱層除去後、ポリマーセメント系下地処理材にて平滑に調整してください。(塗布後の乾燥期間は充分に取ってください。)これを充分に行わない場合、意匠上の問題(非平滑、ピンホール、フクレ等)や膜厚の確保に支障をきたすことがあります。

下地の確認と調整

下地の確認と調整

1-2 既存の露出防水材がある場合

ウレタン防水材は、その多くが改修工事向けに使用されています。その場合、既存の防水層の種類によって下地処理方法が異なってきますので、下記表をご参照の上、適切な処理をしてください。

既存防水材の種類 処理方法
下地処理方法
アスファルト※2 撤去 ケレン棒、皮スキ等で旧防水層を削り取る
ルーフィング アスファルトプライマー層部分まで削り取る
砂付アスファルト※1 ※2 撤去 ケレン棒、皮スキ等で旧防水層を削り取る
ルーフィング アスファルトプライマー層部分まで削り取る
ゴムアスファルト※2 撤去 下地をサンダーで削り取る
シート
加硫ゴムシート※2 撤去 下地をサンダーで削り取る
塩化ビニルシート※2 撤去 下地をサンダーで削り取る
タールウレタン防水 撤去 ハツリ機等で旧防水層を削り取る
カラーウレタン防水 そのまま※1 ※3 表面の塵、汚れを取る
ノンタールウレタン防水 浮き、フクレ、破断部分は切り取る

※1 砂付アスファルト平場は、HS工法が使用できます。
既存防水材やトップコートによっては接着不良を起こす可能性がありますので、事前に接着性試験を実施してください。

※2 各既存防水平場は、KUM工法が使用できます。

※3 接着性試験で接着不良が確認された場合は既存防水材をサンダーで削り取ってください。

<接着試験方法>

  1. トルエン等を使用し下地の溶剤清掃を行い、汚れ等を除去する。
  2. 清掃後1時間程度放置し(洗浄溶剤を完全に飛ばす)、プライマーを塗布する。
  3. 24時間養生後、塗布面に2mm間隔で縦方向に6本、横方向に6本切り込みを入れ、2mm2格子を25個作成する。
  4. 格子箇所にセロテープを付着させ、テープを引き剥がし、下地(既存防水材)に付着している格子の数をカウントする。

判定基準

22〜25個 接着性良好(そのまま施工可能)
0〜21個 接着不良

2.材料使用上の注意

2-1 施工時の作業環境

天候・気温
  • 天候・気温降雨時および降雨直後の施工は、絶対に避けてください。接着不良、ピンホール、フクレ等の原因となります。また、施工後、材料硬化までの間に降雨が予想される場合も、施工を避けてください。硬化途中に降雨があった場合、硬化不良、フクレやトップコートの黄変などを引き起こす恐れがあります。
  • 天候・気温ウレタン防水材施工可能な最低温度は5℃です。5℃未満では硬化不良やトップコートの黄変などを起こしますので、施工を避けてください。
  • 気温35℃、湿度80%を超える場合、もしくは下地温度が55℃を超える場合は、施工を避けてください。接着不良やフクレ、トップコートの黄変などを引き起こす原因となります。
  • 天候・気温強風時には硬化前にゴミなどの付着が考えられますので、施工を避けてください。トップコートをスプレー塗布する場合には、風により周囲を汚してしまう可能性がありますので、施工は避けてください。

2-2 材料使用上の注意

材料の取扱い
  • 2成分形材料(防水材、トップコート)の場合、硬化剤成分が分離したり、配合比の比重差により成分の沈降、浮きなどがおこる性質があります。混合時はまず硬化剤のみを上下逆さまにし充分に振った後、攪拌機を使用して、内容物が均一になるよう攪拌してください。内容物が均一でない場合、硬化不良、分散不良や色違い、色ムラ等を引き起こす可能性があります。また、内容物が分離していた場合でも、均一に混合し使用することで物性等への影響がなくなります。
  • 2成分形材料の場合、規定の混合比を守り、かつ低速攪拌機を使用して充分な攪拌(3〜5分)を行う必要があります。攪拌が不十分である場合、接着不良や硬化不良となり、トップコートの黄変、早期のチョーキングを引き起こす原因となります。
  • 「EU-ONE」は1成分形のため、攪拌の必要はありません。ただし缶底に成分が沈降している場合がありますので、開缶後ヘラ等で軽くかき混ぜてからご使用ください。
  • 「EU-ONE」は完全硬化を確認してから次工程を施工してください。深部まで硬化していない場合、トップコートのシワやリフティング、黄変等の不具合の原因となります。
  • プライマーのオープンタイムは必ず確保してください。また、プライマー塗布した当日に施工を実施してください。オープンタイムが不十分な場合、またはプライマー塗布から施工まで一昼夜空いた場合、接着不良を引き起こす場合があります。
  • ウレタン防水施工からトップコート塗布まで3日以上空いた場合、または降雨にあった場合、層間プライマーを再塗布してください。プライマーを使用しない場合接着不良を引き起こす可能性があります。

    ※トップコートFフッソの上に層間プライマーを使用するときは弊社販売員にご確認ください。

  • トップコートの硬化途上にトップコートを塗り継いだ場合、トップコートにシワが発生する場合があります。3時間以上間隔が空いた場合、塗り継ぎは翌日以降としてください。
  • トップコートE、トップコートSは材料温度の上昇や、風の影響で皮張りを起こし易くなりますのでご注意ください。
  • トップコートを薄く塗布すると、部分的にハジキが出たり、耐候性の低下がおこる可能性がありますので必ず規定量を塗布してください。
  • トップコートE、トップコートSの塗膜は乾燥工程において色ムラのような現象が起こりますが異常ではありません。乾燥後は未硬化時と比較して濃い色調に仕上がります。
  • トップコートE、トップコートS施工時(未乾燥時)に汗などの水滴が塗膜上に落ちると色浮きを起こしますのでご注意ください。
  • トップコートE、トップコートSの主剤、硬化剤混合時に、塗料温度が35℃以上になると、艶が出なくなることがありますのでご注意ください。
  • トップコートE、トップコートSの塗布には必ず水性塗料専用の塗装工具を使用してください。
  • 材料を開缶したり攪拌する作業場は、ブルーシート等で養生し材料等が直接下地に付着しないようにしてください。
  • 攪拌機、攪拌容器及び施工道具は常にキレイにしておいてください。道具が汚れていると異物の混入等の原因となります。
  • ウレタン防水材料は長期間空気に触れていると変質することがありますので、材料は使用直前に開缶し、当日中に必ず使い切ってください。止むを得ず開缶状態のまま保存する場合は必ずフタをし、テープ等で余分な空気及び水分の流入が無いようにし翌日中に必ず使い切ってください。なお1成分形材料は空気に触れている部分より硬化していきますので当日中に必ず使い切ってください。
  • 材料は直射日光及び雨水がかからない場所にて保管してください。
  • ウレタン防水材、トップコート施工時及び施工直後に降雨等で水が混入した場合、変色及び硬化不良を起こす可能性がありますのでご注意ください。
  • ウレタン防水材は、必ず規定の厚みを確保するように施工してください。(ウレタン防水材の破断、シワ・ハガレが発生する可能性があります。)
可使時間と粘度調整
  • 可使時間は、材料の液温と密接な関係にあります。夏期は温度上昇により可使時間が短くなりますので、材料の保管については風通しのよい日陰に置くなどして、液温の上昇を防いでください。また、冬場は硬化遅延を起こしますので、材料を室内等の暖かい場所に置くか、使用前に温める等の処置をしてください。
  • 可使時間内に必ず防水材を施工してください。可使時間を超えて施工すると、コテムラ等の不具合が発生する場合があります。
  • 「EU-ONE」は1成分形のため、空気と触れている面の表面から硬化が始まりますので、開缶後は素早く使い切るようにしてください。また、材料同士の塗り継ぎも素早く行ってください。
  • 可使時間と粘度調整可使時間と粘度調整原則的に希釈は行わないでください。止むを得ず施工時に粘度調整をする場合、厚み管理を行った上で、ウレタン用希釈剤の添加量を、主剤と硬化剤の合計量の5%を超えない範囲としてください。5%を超えると、接着不良、硬化不良、硬化遅延、ベナードセル(表面の平滑不良)等の外観不良、ウレタン塗膜劣化の促進、トップコートの変色、接着不良や早期チョーキングを引き起こす恐れがあります。また、粘度調整はウレタン防水材のみとし、トップコートに対しては絶対に行わないでください。トップコートを希釈した場合、接着不良、トップコートの早期チョーキング、変色を引き起こす恐れがあります。
  • トップコートはウレタン防水硬化後に塗布してください。硬化が不十分な状態でトップコートを塗布すると、リフティング(毛羽立ち)、トップコートの早期チョーキング、変色や接着不良等の不具合を引き起こす恐れがあります。タックが抜けていても充分硬化しているかどうか必ず確認して下さい。
  • YM-800Tの添加量はP35を参照してください。上限を超えて使用した場合、硬化不良、硬化遅延、トップコートの黄変等を引き起こす恐れがあります。YM-800T添加時は特に、硬化が充分な状態を確認してから、トップコートを塗布して下さい。
  • アーバンルーフ促進剤の添加量はP35を参照してください。上限を超えて使用した場合、物性の低下、軟化や黄変等の変色を引き起こす恐れがあります。
  • 色が薄いトップコートを使用した場合、変色しやすくなります。
2-3 施工時の安全管理と注意事項
  • 施工時の安全管理と注意事項施工に関しては、立入禁止の札を用意し、わかりやすい所に立ててください。異業種施工店との共同工事の場合は、工程等を元請会社とよく調整してください。
  • 施工時の安全管理と注意事項ウレタン防水の材料は、危険物が多く火気厳禁です。施工に際しては火気厳禁の札を用意し、わかりやすい所に立ててください。また、喫煙は場所を決めて周囲の安全を確保してからおこなってください。
  • 施工時の安全管理と注意事項換気の悪い所で施工する場合は、有機溶剤マスクを着用するほか、局所排気装置等で充分に換気を行ってください。
  • 施工時の安全管理と注意事項作業時には、保安帽、保護手袋を着用してください。また、混合攪拌時には目に入らないように、保護眼鏡を着用してください。尚、屋上等の高所作業になりますので、安全帯を着用し、安全の確保に努めてください。
  • 施工時の安全管理と注意事項施工後はよく手を洗い、充分にうがいをしてください。
  • 施工時の安全管理と注意事項余った材料は必ず硬化させてから使用済缶、ウエス、手袋等と一緒に専門処理業者へ委託して処理してください。