製品を通して

木々の生育を妨げないタイヤで持続可能な森林資源の活用に貢献

持続的な林業事業を約束するアライアンスエリート

世界的な森林資源の利用によって、1990年から2015年の間に12,900万ha(ヘクタール)もの森林が失われています。
林業に携わるお客さまには、1本の木の伐採につき、6本の木を植える気持ちで販売活動を行っています。
林業用機械が森林に入ると、機械の重みで土壌が押しつぶされ、土壌中の隙間がなくなります。固まった土では新たに木を植えても根が張っていかず、植物が育ちにくくなります。そのため、木の生育と収穫のバランスが取れず、森が消えているのです。そこで、アライアンスタイヤグループでは、2012年から土が押しつぶされないよう、低い圧力で走行できるタイヤの開発を続け、2018年9月に北欧市場に新製品「Alliance 344 ForestarELIT」を販売しました。その技術を私たちはエリートテクノロジー(ELIT(Engineered Low Inflation Tire)Technology)と名づけました。
林業の現場では、木々が散在し、凹凸や傾斜のある湿った土の上を林業用機械は安全に操作できなければなりません。
しかし、タイヤから土壌への圧力を下げると走行安定性や燃費に悪影響が出ていました。

そこで、アライアンスタイヤグループの各拠点から4名の技術者が選ばれ、タイヤ内部のスチールベルトの強度を上げ、かつタイヤが外れ難いよう構造設計や接地面のデザインを見直し、試験を繰り返すことにより、地面と接する面積を26%広げることに成功しました。これにより、タイヤによる土壌への圧力を半減させつつ、車両重量に負けないグリップ力と牽引力で安定した走行が得られ、燃料使用も7%改善しました。
また、タイヤから土も落ちやすい(セルフクリーニング性が高い)とデザインも好評で、林業に携わる多くの方々からプレミアムタイヤとして評価を得ています。

製品開発チーム(エリートプロジェクト)からの声

このプロジェクトの背景には、森林地帯の土壌圧縮を改善する必要がありました。木材の調達で森林が減っていくことに危惧をずっと抱いていました。
一方、運転者の快適性・作業性を損なうことはできません。そのため、最も困難な課題は、タイヤから地面への圧力を下げつつ(低圧縮)、牽引力や操縦安定性など複数の要求に応えることでした。そして、タイヤの耐荷重性を損なうことなく、空気圧が4.5barではなく、2.5bar(約40%減)でも使用できる技術を開発しました。
私たちは、さまざまな設計に取り組み、特にビード形状の大きな変更を行い、リムへの応力を下げタイヤが外れることがないようにしました。また、5年以上もの激しい動的屈曲下での接地面積と圧縮力を評価し、最適な構造を持つタイヤを開発したのです。
このタイヤを多くの林業に携わる方々に使っていただき、土が締め固まることなく、土壌の豊かさを保ち、将来の林業の成長に役立つことを目指していきます。

デザイン開発者
Vered Blusvshtein

技術責任者
Lior Vilkomirsky

製品責任者
JoJan V Louis

TOPIC

IHX(Internal Heat Exchanger:内部熱交換器)の開発

IHXは、自動車用エアコンシステムで冷媒を輸送する配管の一部です。
2重管とすることで、高温冷媒と低温冷媒の温度差を利用して熱交換を行うことにより、エアコンシステム全体の冷却効果が高まります。温暖化防止を目的とした新冷媒への切り替えが進みつつありますが、冷却効率が悪く、それを改善することができます。今回、ヨコハマ・インダストリーズ・アメリカズで開発した2重管型内部熱交換機は曲げても冷媒の流路が潰れないため、狭い空間のエンジンルームで自由に配管設計が可能です。既に、北米で採用され、さらに高性能仕様の開発に取り組んでいます。

IHX採用による冷却効果 10~15%アップ