環境

原材料

KPI

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項目 2019年度実績 2020年度実績
使用原材料の総量 (連結)812千トン (連結)700千トン
ゴムリサイクルの割合 (連結)2.4% (連結)2.4%

責任部門

技術・設計部門
  • とりまとめは3R推進委員会にて実施

考え方・目標

なぜ「原材料」が重要取り組み項目なのか
理由と背景の解説

横浜ゴムグループは天然ゴム、水などの自然資本や化学品を使った商品を販売しています。これらの原材料は地球から得られた資源からつくられたものであり、無限に存在する訳ではありません。そこで、最小限の原材料を使い、リサイクル製品(リトレッドタイヤなど)の販売を推進し、リサイクル原材料(粉末再生ゴムなど)を使用して、お客さまや社会に喜ばれる商品を届けることが重要な課題であると認識しています。

原材料に関する方針および考え方

横浜ゴムグループは、環境に関する考え方を「環境基本方針」、「横浜ゴム全社環境方針」に示し、「横浜ゴムグループ行動指針」にのっとり、地球環境への負荷軽減につながる原材料の開発・調達と使用量の最小化を推進します。

目指す姿(達成像)/目標

原材料使用量の削減、リトレッドタイヤの販売促進、リサイクル原料の使用拡大を図ることにより、ライフサイクル全体で環境・社会への影響が最も小さく、持続的に利用可能な原材料の調達システムを構築します。これらの活動は、2050年度にScope3のカテゴリー11(製品の使用段階)におけるCO2排出量の半減にも寄与します。

目指す姿に向けた施策

事業継続のため、下記に取り組みなど環境・社会への負荷を低減した原材料の開発・利用を進めています。
  1. 構造設計・部材剛性などの見直しにより、要求性能を満たしつつ、軽量化を図る。
  2. リトレッドタイヤの販売促進を図る。
  3. さらに高い粉末再生ゴム混合比率のタイヤ、ベルトの開発や再生可能商品の開発を推進する。

2020年度の活動レビュー

ゴムリサイクル材料の使用比率を拡大

当社グループでは以前より3Rの観点からリサイクル原料の採用を進めて参りました。再生ゴムはその筆頭と言える原料です。
タイヤ部門における2020年の再生ゴムの使用量は、全世界で約7,000tに及び、同じ量の原料(資源)を節約したことになります。再生ゴムは高分子でできており、リサイクルの際の熱などによる劣化は避けられません。しかし当社は原料や加工条件を見直すことで従来品と比較して劣化が抑えられた再生ゴムを2020年に採用しました。これにより品質と環境性能のバランスを取りつつ再生ゴムの使用量を拡大しています。
その結果、コンパウンド(材料ゴム)に占める再生ゴムの割合は、全社では2.42重量%になります。
横浜ゴムタイヤ部門の各種再生ゴム使用量比率は2008年当初に比べ、約3.0倍にまで拡大しています。今後も再生ゴムの使用比率を高めていくと共に、その他再生可能原料の探索・活用を通して地球が直面している環境課題の解決に努めていきます。

タイヤ製品における再生ゴム使用比率の推移※1

※1 当社国内の検収実績によるコンパウンド使用に対する比率
※2 国内単体

バイオマスからブタジエンを生成する世界初の新技術を開発

当社は、国立研究開発法人理化学研究所、日本ゼオン(株)と共同で設置している「バイオモノマー生産研究チーム」の共同研究により、バイオマス(生物資源)から効率的にブタジエンを生成できる世界初の新技術を開発しました。自動車タイヤなどの原料として使われる合成ゴムの主原料として使用されているブタジエンは現在、ナフサ熱分解の副生成物として工業的に生産されていますが、ブタジエン生成技術を確立することにより石油への依存度が低減でき、地球温暖化の原因とされる二酸化炭素削減に貢献できます。
当社では今後も、カーボンニュートラルな植物由来のバイオマスを活用する研究に積極的に取り組み、「持続可能な開発目標(SDGs)」達成に向けて、独創的技術開発を推進します。

バイオエタノールからブタジエンを生成する世界最高の生産性を有する触媒システムを開発

植物資源より得られるバイオエタノールから金属酸化物触媒によってブタジエンを生成させ、それを用いてブタジエンゴムをつくる研究もしています。2019年に、バイオエタノールからブタジエンを生成する世界最高の生産性を有する触媒システムを開発しました。2020年はこのブタジエンの生成量を増加させるためのベンチスケール合成装置を導入しました。この技術開発は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「超先端材料超高速開発基盤技術プロジェクト(超超PJ)」の委託事業として実施しており、国立研究開発法人産業技術総合研究所および先端素材高速開発技術研究組合(ADMAT)と共同で行っています。超超PJでは計算科学や人工知能(AI)を積極的に活用することで、従来の経験と勘を頼りにした材料開発と比較して開発期間を1/20に短縮することを目指しています。バイオエタノールから生成されたブタジエンゴムは植物由来の再生可能原料であり、カーボンニュートラルの実現に大いに貢献することが期待されます。

超超PJが推進する「計算科学技術」、「プロセス技術」、「先端計測技術」の開発サイクル

新開発の技術により生成したブタジエンを用いて合成したブタジエンゴム

高剛性ウインドシーラント

当社の自動車ガラス用接着剤(ウインドシーラント)は高い耐久性で評判を得ておりますが、車体剛性の向上のために高剛性ウインドシーラントを開発しました。これにより、安全性が高まるとともに、シーラント使用量減により、車体の軽量化にも寄与しています。

MB事業でのリサイクル活動

再生ゴムは昨年と同様主にバラスト用ベルトに使用しており、2020年度の使用比率は2.7重量%でした。
また、ホースの製造工程で使用する樹脂モールド材(熱可塑性樹脂)は、使用後に粉砕・再溶融して再利用していますが、粉砕時に発生する粉末は廃棄していました。そこで、粉砕工程を2段階とし、最初は粉砕を大型化し、粉末化を抑制しました。
次の粉砕工程で発生する粉末は回収し、粉砕物と同じ履歴で再利用することができるようになりました。
その結果、回収率は90%を超えるようになり、樹脂モールド材は2019年に年間使用量を3.6トン削減、2020年には4.8トン削減できました。

横浜ゴム長野工場 「金属切削屑のブリケット化」 の 「一般社団法人産業環境管理協会会長賞」 受賞

2018年の「資源循環技術・システム表彰」において「金属切削屑(ダライ粉)のブリケット化」で「一般社団法人産業環境管理協会会長賞」を受賞しました。
長野工場はホース用の継ぎ手金具の生産およびホースと金具のアセンブリを行っています。今回、従来は外部の金属屑業者に売却していた金具生産の際に発生する金属切削粉を、鉄鋼原料用のブリケット(粉体物等を高い圧力で固めて特定形状に固形化したもの)に成型し、製鉄会社に直接販売する効率的なシステムを確立し資源循環に貢献しています。

課題と今後の改善策

事業活動には原材料の使用が欠かせませんが、地球の資源を最小限に利用する状態にあることが最終目標です。
再生可能商品やリサイクル原材料の使用が、本当に地球資源の利用や環境負荷の低減につながっているか、正しく評価を行い、グローバルに展開することが課題です。