環境

生物多様性

KPI

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項目 2019年度実績 2020年度実績
生産拠点における周辺地域生態系の生物多様性保全実施率 (連結)67%
(国内13拠点、海外9拠点)
(連結)69%
(国内13拠点、海外9拠点)
該当地域で生物多様性に及ぼす影響 ヨコハマタイヤリトレッド(YTRH)
ウトナイ湖の近隣
ヨコハマタイヤリトレッド(YTRH)
ウトナイ湖の近隣
保護または復元されている生息地 長野県豊丘村の里山保全および神奈川県平塚市土屋地区での里山保全、三重県伊勢市大湊海岸でのアカウミガメ産卵地の保全、バージニア工場でのルリツグミ繁殖地の保全 長野県豊丘村の里山保全および神奈川県平塚市土屋地区での里山保全、三重県伊勢市大湊海岸でのアカウミガメ産卵地の保全、バージニア工場でのルリツグミ繁殖地の保全
IUCNレッドリストおよび国内保全種リスト対象の生物総数

<絶滅危惧種区分>
・絶滅危惧IA類(CR)
・絶滅危惧IB類(EN)
・絶滅危惧Ⅱ類(VU)
・準絶滅危惧(NT)
・軽度懸念
排水先河川
CR+EN:シャジクモ類、ニホンウナギ(金目川、桧尻川)の2種
VU:メダカ(各河川)、アカザ(天竜川)の2種
NT:カワヂシャ(金目川)、コオイムシ(園部川)、カジカ大卵型(黒田川)、トノサマガエル(天竜川)、ニホンイシガメ(御殿川)の5種

工場敷地内および里山
VU:キンランの1種
NT:オオムラサキ、マツバラン、エビネ、アカハライモリの4種
軽度懸念:ケリの1種

流下先の海岸
EN:アカウミガメ(大湊海岸)の1種
排水先河川
CR+EN:シャジクモ類、ニホンウナギ(金目川、桧尻川)の2種
VU:メダカ(各河川)、アカザ(天竜川)の2種
NT:カワヂシャ(金目川)、キイロヤマトンボ(園部川)、コオイムシ(園部川)、カジカ大卵型(黒田川)、トノサマガエル(天竜川)、ニホンイシガメ(御殿川)の6種

工場敷地内および里山
VU:キンランの1種
NT:オオムラサキ、マツバラン、エビネ、アカハライモリの4種
軽度懸念:ケリの1種

流下先の海岸
EN:アカウミガメ(大湊海岸)の1種

責任部門

各拠点
  • 活動は事業所が行い、環境保護推進室は事務局として生物多様性分科会を組織し、全社方針の審議や情報共有・活動の推進を行っています。

考え方・目標

なぜ「生物多様性」が重要取り組み項目なのか
理由と背景の解説

当社は天然ゴムをはじめとする自然資本(自然の恵み)に依存して事業を営んでいます。また、多くの生産工場では、装置を冷却するために大量の水を利用し、熱・二酸化炭素を放出しています。このような事業活動によって生じる自然環境への負荷が、現在地球規模で進んでいる生物多様性の喪失と決して無関係ではないと認識しています。この自然の恵みを与えてくれる多様な生命のつながり(=生物多様性)の保全と持続可能な自然資本の利用に取り組み、未来の世代に伝えていくことが、われわれの責務であると考えています。

生物多様性ガイドライン

<基本方針>

私たちは、自然が生み出す恵みに依存して事業を営んでいます。この恵みを支える「多様な生命のつながり=生物多様性」が、地球規模で急速に失われていることを認識し、事業活動を通じて生物多様性の保全と生物資源の持続可能な利用に取り組むことで、豊かな自然を未来の世代につなぎます。

<行動指針>

  1. 経営課題としての認識
    横浜ゴムは、生物資源を直接利用し、また生物多様性に影響を与える事業活動を行っていることから、自然の恵みの重要性と危機を認識し、長期的な視点で生物多様性の保全に取り組みます。
  2. 社員の全員参加
    自然の恵みに対する社員の意識を高め、すべての社員が業務や地域社会で生物多様性保全に貢献します。
  3. 生物多様性への影響の把握と低減
    事業活動が生物多様性に及ぼす影響を把握し、その影響を回避または最小化することに取り組みます。
  4. サプライチェーンを通じた生物多様性保全
    生物多様性保全は、資源の採取段階における配慮が重要であることを踏まえ、サプライチェーンにおける関係者との連携を通じて、資源採取地の生物多様性保全に貢献します。
  5. 生物資源の持続可能な利用
    生物多様性の保全に関わる知見を収集し、技術開発、設計・生産プロセスの革新や、バリューチェーンにおける生物多様性保全への取り組み等を通じて、生物資源の持続可能な利用に取り組みます。
  6. 情報の共有とコミュニケーション
    生物多様性保全に関する情報や社会要請の把握に努め、自らの活動成果を積極的に開示し、顧客や地域社会、NGOや行政など、ステークホルダーとの対話と連携を推進します。

目指す姿(達成像)/目標

「生物多様性の保全」については、事業活動が自然環境や生態系に与える影響を評価し、その影響がより良いものになるように保全活動を行っています。また、自然と共生し、環境マインドを持った従業員の育成を目指しています。そのために事業活動および社会活動を通じて活動を推進していきます。
「YOKOHAMA千年の杜」活動では目標としていた国内外の生産拠点および関連部門の敷地内に50万本の苗木を植えることを2017年9月に達成しました。今後、生産拠点および関連部門敷地内の植樹と地域への苗木提供をあわせ累計130万本を2030年までに達成することを目標にしています。

<横浜ゴムの環境活動の方針>

目指す姿に向けた施策

事業所のある場所は地理的、歴史的、文化的に異なる立地に位置しています。そこに生存する生き物も異なることから、事業所ごとの状況把握と課題設定が必要と考え、当社の生物多様性保全活動はステップ展開を行っています。事業所を取り巻く水域・緑地・自然保護区や住居・工場など、周辺環境を大まかに把握した後に調査した事業所のある周辺地域で、事業活動の影響のある河川などで水質の調査や出現生物のモニタリングを行い、評価対象生物を設定します。モニタリングを、年間を通して継続することにより事業活動の影響を評価し、保全する生物の対象を決定して保全活動を行い、結果を公表しています。
水質の調査として水温・電気伝導度・pHなど、生物のモニタリングとしては野鳥観察、植生調査、水生生物や昆虫の観察を行っています。

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  拠点 場所 水質 水生生物 植生 野鳥 昆虫 その他
国内 三重工場 構内
構外 アカウミガメ
三島工場 構外
新城工場 構内
構外 両生類
尾道工場 構内
構外
平塚製造所 構内
構外
茨城工場 構内 サシバ成育環境
(両生類・爬虫類)
構外
長野工場 構外
ヨコハマタイヤリトレッド・北海道 構外
ヨコハマタイヤリトレッド・名古屋 構内 ビオトープ
ヨコハマタイヤリトレッド・尾道 構外
ヨコハマモールド 構外
海外 YTMT(タイ) 構内
YTRC(タイ) 構内
Y-CH(中国) 構外 老君山プロジェクト
CHZY(中国) 構内
構外
CSZY(中国) 構内
YTPI(フィリピン) 構内
構外 流域保全
YTMV(アメリカ) 構内 哺乳類
YRPZ(ロシア) 構内 マツの木の生育
YTVI(ベトナム) 構外
  • 生物多様性活動での実施の有無。

YOKOHAMA千年の杜

2020年末までの植樹本数は累計60.7万本に達しました。また植樹本数に苗提供をあわせた本数は103.9万本に達しました。2030年までに130万本を達成するという目標に対して80%の達成率となりました。森の成長と環境の変化を評価するために、成長量の調査(樹高、胸高直径の測定)と工場敷地内に出現する野鳥の調査を行っています。苗木の成長量の調査から千年の杜の二酸化炭素の固定量を算出しており、千年の杜の二酸化炭素固定量が一般的な広葉樹林よりも多いことが分かっています。これは、多種類の樹種を混植・密植することの効果であると考えています。
平塚製造所での野鳥調査では、これまでに工場敷地内で60種類の野鳥が観察されています。植樹3年目からは、森林を好むアカハラが見られるようになりました。これは、野鳥にとって千年の杜が本来の森として機能していると考えられます。また、センダイムシクイや水辺で見られるオオヨシキリが観察されており、野鳥が生息域を移動する途中で寄る中継地点として千年の杜が機能しているのではないかと考えられます。

2020年度の活動レビュー

天然ゴムを持続可能な資源とするための取り組みを開始

横浜ゴムは、天然ゴムを持続可能な資源にするために2018年10月に「持続可能な天然ゴム調達方針」を発表。また、国際的なプラットフォームであるGPSNR(Global Platform for Sustainable Natural Rubber)に参画し、活動を開始しました。
2019年からタイ・スラタニ地区での農園調査を開始し、これまでに223戸の農家を訪問しました。これまでのところ人権侵害や違法な森林伐採などの問題は見つかっていませんが調査を通じて農園の抱える問題や解決すべき課題を知る事が出来ました。この調査は今後も継続して行い、2022年末までに500戸の調査を実施する予定です。
2020年1月にはタイ天然ゴム公社(Rubber Authority of Thailand: RAOT)と天然ゴム農家の経営支援およびサプライチェーンの透明性と健全性を確保するためのトレーサビリティの向上に向けて協力していく覚書を締結しました。

地域コミュニケーション

平塚製造所での施設公開イベント「ThinkEcoひらつか」での企画として開催してきた生物多様性パネルディスカッションを2020年はオンラインで開催しました。「平塚の自然から考える生き物のつながりと私たちのくらし」をテーマに従業員、地域住民、環境NPO等をはじめ、今回は中高生にも参加頂き約40名で実施しました。

従業員教育

生物多様性保全に事業を通して取り組み、従業員全員が生物多様性の恵みを意識して行動するために人材育成を通して従業員への浸透を図っています。若手従業員を対象とした必須研修の1コースで生物多様性を取り上げています。2020年度は新型コロナウイルス感染の拡大のためビデオ・オン・デマンドで実施しました。

事例紹介

平塚製造所

平塚製造所は複数の事業部・部門の集合体であることから、従業員教育の場として金目川の下流域で生物多様性活動を行っています。
金目川ではセッカ、カワセミ、オオヨシキリ、モズなどの鳥類、ニホンウナギ、シマヨシノボリ、ボウズハゼなど回遊性の魚類が見られることから河川と海とが健全な状態でつながっていることが示されました。一方、植生調査ではオオブタクサやアレチウリなどの外来種が多く見られたことから保全活動として特定の外来種の除去を行ってきました。
上記活動の結果として、外来種の植物を減らすことができましたが、「外来植物が減って生物多様性が守れたか」という(保全)効果が明確でないことが課題となりました。
見直しを行った結果、金目川での保全活動については一旦収束としました。
(モニタリングについては継続予定)
金目川での植生調査の模様
金目川での水生生物調査の模様
毎年3月には金目川水系流域ネットワークの呼びかけに賛同して、地域の自治体や団体とともに河川清掃を行っています。
(2020年はコロナ禍の影響もあり中止)
また平塚市土屋地区の駒が滝近くの休耕地をお借りして谷戸田に手づくりのビオトープを創設や、谷戸の周りの放置されたスギ林を再生するなどの活動を2015年より開始しました。
また同じ地区にある神奈川大学の協力を得て、スギの間伐による照度変化などについても調査を開始しています。
谷戸田をゾーンに分けて、目標種や活動内容、目指す姿などを決め、活動の効果やゴールがわかるようにしました。
スギ林の林床変化 落葉実生
林内設置のトレイルカメラ
里山に出没したタヌキ
さらに、2017年5月には事業所敷地内に手作りのトンボ池を設置し、この池に集まるトンボやチョウ、カエルなどを観察して生き物のつながりを身近に感じられる活動を開始しました。
こうした生物多様性活動や2007年に事業所の周囲に植樹した千年の杜の成長に伴う継続的なCO2吸収固定量調査などが評価され、2017年3月に生物多様性に配慮した工場として「いきもの共生事業所認証®(ABINC認証)」を取得しました。
ABINC認証
平塚市が主催するひらつか環境フェアーや、環境団体が主催する生物多様性フォーラムにも参加し、平塚製造所の生物多様性活動を地域に紹介しています(昨年は残念ながらコロナ禍の影響で出展は中止、冊子編さんのみなどとなりました)。
第20回 さがみ自然フォーラム 表紙
平塚市が推進する生物多様性への取組み「ひらつか生物多様性推進協議会」に参画し、平塚の生態系保全についても活動の場を広げています。

三重工場

3つのチームで以下のとおり、生物多様性保全活動を継続しています。
  • ブラックチーム:工場排水先河川(桧尻川・ほとす川)での水質調査とメダカなどの水生生物調査
  • ノッポチーム:流下先の海岸(大湊海岸)での外来種抜根と在来植物の株数の測定、アカウミガメの産卵調査の実施
  • チビッコチーム:工場の雨水調整池でのビオトープづくり、水質調査と生物調査の実施、とんぼ、水生生物調査、水質測定
恒例となっています従業員による大湊小学校での出前授業は開催出来ませんでしたが、小学校に紙芝居を持って行き、先生から植樹の話をして頂きました。2021年度は大湊小学校が閉校し新しい学校と如何に出前授業を行っていくかを、学校、行政、我々と課題化しています。
コロナ禍により毎年実施している植樹体験、生物多様性保全活動体験は開催出来ませんでしたが、21年度は実施するよう準備を進めます。
また、半期毎に開催している活動報告会もコロナ禍でありますが開催予定で準備を進めています。
桧尻川での水生生物調査
大湊海岸での植樹の意義を紙芝居を用いて学校先生より説明
小学生を招いてのビオトープでの生き物観察会

三島工場

工場排水の流出先である御殿川での水質調査および生物調査をどぜう・すっぽん・うなぎの3つのチームで継続して実施しました。
御殿川ではハグロトンボやコヤマトンボのヤゴ、オイカワやカワムツなどの魚類、クサガメ、スッポンなどのは虫類、住宅に囲まれた工場では珍しくカワセミが住みつき鳥類など多様な生き物が暮らしていることが確認されています。一方、河川に投棄されるゴミが多く、御殿川を美しく保つために少しでも貢献していきたいとモニタリングの後に河川清掃を行っています。
しかし、2016年末の河川浚渫により川の中の植生が一掃され、川の多様性がなくなってしまいました。そのため、2019年5月に静岡県沼津土木事務所、三島市および三島工場の3者による「リバーフレンドシップ」の同意書に調印し、2020年では2回/年、行政参加型の活動を行い、御殿川での植生の再生と水生生物の住みやすい環境の整備を実施しました。
また、工場正門前の農業用水路河川清掃を行った結果、2012年から蛍が生息しはじめ、毎年5月に蛍鑑賞会を実施していましたが、コロナ過の下、中止せざるを得ませんでした。毎年、200名ほどの方々にご来場頂いております。
河川管轄協働での河川再生の様子
河川管轄協働での河川再生の様子

新城工場

2020年度新城工場:生物多様性保全活動は水源地域の四谷千枚田/野田川・黒田川/工場ビオトープの3箇所を3チーム総勢75名で活動を進める予定でキックオフしましたが、コロナ禍の影響により、各チームリーダー+事務局で4~5人対応の人数制限(時短)で限定的な活動となり水質調査・一部生物モニタリングのみの活動となり、従来の活動が出来ませんでした。
<新城市四谷千枚田水源地域>
工場冷却水の水源として、生物群集の生息域を確保し清流と準絶滅危惧種の維持を助け、水に関連する生態系の保護・回復を行い、千枚田に望ましい生態系の生息環境を支援する活動を行いました。
※保護する生き物:アカハライモリ・ツチガエルなどの準絶滅危惧種(NT)
<野田川・黒田川:水質・水生生物モニタリング調査>
両工場排水が地域の水質や水生生物に悪影響を与えていない事を確認し、維持継続する活動を行いました。
<構内工場ビオトープ>
工場内ビオトープを維持・整備し、水に関連する生態系の保護・回復を行い、工場内に生息できる環境であるか観察を行いました。
新城設楽生態系ネットワーク協議会参画の植樹支援については、コロナ禍の影響で中止となりましたが、これまでの活動内容をパネル展示でアピールさせて頂きました。(新城市役所ロビー)

尾道工場

尾道工場では藤井川の西藤親水公園での水質調査と水生生物・鳥類・植生の調査および工場内での野鳥観察および昆虫観察を行っています。
藤井川での水生生物調査では、モンカゲロウ、ニホンカワトンボ、ヤマサナエなどの水生昆虫、タモロコやドンコ、シマヨシノボリなどの魚類、モクズガニやスジエビなどの甲殻類が観察されました。
工場敷地内では、千年の杜の成長による森の形成や、藪、草地、雨水による池と湿地形成により生き物のためのさまざまな環境がモザイク状に提供されており、トンボ類、チョウ類、コオロギ類、キリギリス類の生息環境となっていることが示されました。またヒバリの営巣、モズやジョウビタキの縄張り形成、ウグイスの越冬などに工場敷地が寄与していることが示されました。
2020年6月に開催予定の第44回藤井川の夕べでは、コロナ禍の影響で中止となり千年の杜の苗木300本の配布は翌年の持ち越しとなりました。
また、2020年にはいきもの共生事業所認定®(ABINC認証)更新の申請を行い、2021年2月に認証の更新を受けました。
工場内での野鳥観察
工場内での野鳥観察
西藤親水公園での野鳥観察

長野工場

長野工場は、他工場に比べて自然度の高い地域に位置する工場です。雨水以外の排水がほとんどなく、横浜ゴムの他の工場と比べて環境影響度の低い工場であると考えています。
長野工場の位置する天竜川とその支流である大島川の合流地点付近および寺沢川の親水公園での水生生物調査では長野県の準絶滅危惧種のアカザや絶滅危惧I類のシャジクモが見つかりました。
長野県が進める「森林(もり)の里親促進事業」に基づき豊丘村の村有林の整備で協力する「森林の里親契約」を豊丘村と結び、保全活動を行っています。

茨城工場

茨城工場では工場排水の排水先である園部川での水質、植生、水生生物および鳥類の調査を行っています。園部川は農業用水として利用されていることから排水の水質について十分に注意を払っています。工場排水の放出口から出た水は、園部川の元の水に比べて電気伝導度が低く、透視度が上がっていることから、工場排水は十分な管理ができていると考えています。また工場事務所玄関に水槽を設置し、工場排水を利用して園部川で捕獲した魚を育てています。水生生物調査では、環境省のカテゴリー準絶滅危惧種(NT)のキイロヤマトンボのヤゴが確認されています。
2015年から工場の鳥類調査を開始し、保全活動同様、調査活動を継続しています。園部川での観察結果との比較により環境の違いを考察することで、これまで以上に周りの生き物に対して親しみが持てるようになりました。
2019年より、茨城で準絶滅危惧種に登録されている「サシバ」という野鳥を環境保全の1つの指標にかかげ、新たに「サシバ生育環境調査」を編成し、工場内の植生・小動物類(両生類・爬虫類)の調査を開始しました。
これらの活動は日本野鳥の会茨城県さま、小美玉生物の会さまにご指導いただいています。小美玉生物の会のホームページで茨城工場での生物多様性保全活動の様子をご紹介いただいています。
2020年度は新型コロナウイルス感染症感染防止対策として、外部 (関連グループ会社を含め) 参加者を制限し、工場内の従業員中心で活動を実施しました。

園部川での野鳥観察

園部川での水生生物調査

サシバ生息環境調査(昆虫の採集調査)

キイロヤマトンボのヤゴ

ヨコハマタイヤリトレッド(株)北海道事業所(YTRH)

(公財)日本野鳥の会が、日本で最初にサンクチュアリを開設した渡り鳥の集団飛来地として国際的にも有名な「ウトナイ湖」に隣接しているのがYTRHであり、このような貴重な環境下にある工場は横浜ゴムグループでは唯一YTRHだけです。
この貴重な場所を保全するため、2017年からウトナイ湖の保全活動として4~11月まで清掃活動を行い、夏には外来植物駆除活動を実施しています。
2017年から恒例行事として始めた「外来植物駆除活動」は、最初の参加人数8人でしたが、CSR、YTJ販売店、営業倉庫、ご家族と有志を集い、2018年では14人、2019年では18人にまで増えました。また、抜き取り本数も2017年3000本、2018年7770本、2019年19683本となり、活動の密度は濃くなりました。
2020年はコロナ過の影響でほとんどのイベントが中止になりましたが、3密を避け、YTRH所長以下3人と日本野鳥の会レンジャーさんと合わせて4人で「外来植物駆除」を実施しました。
<苫小牧市のイベント>
♦春の大掃除月間「ゼロごみの日」 4月18日(日)
YTRH従業員全員参加でウトナイ湖サンクチュアリを中心に清掃活動予定でしたが、コロナ過でイベント中止。
♦秋の大掃除月間「ゼロごみの日」 10月18日(日)
YTRH従業員全員参加で、ウトナイ湖周辺の大掃除実施。
普段の清掃活動よりも広範囲での掃除だったこともあり、大量のゴミを回収。
ウトナイ湖周辺がきれいになりました。
2021年は日本野鳥の会ウトナイ湖サンクチュアリ開所40周年を迎えます。
日本野鳥の会、保全プロジェクト推進室ウトナイ湖サンクチュアリ、レンジャーによると「シマフクロウを呼ぼうプロジャクト」「タンチョウを呼ぼうプロジャクト」など活動予定があるそうです。
これからも、従業員全員でウトナイ湖の環境活動やサンクチュアリサポート活動に取り組み、また、家族や関連会社の方々や日本野鳥の会と共に有意義な活動を続けていきます。
ウトナイ湖の渡り鳥
ウトナイ湖周辺でのオオアワダチソウ抜き取り作業
ウトナイ湖周辺での清掃作業

ヨコハマタイヤリトレッド(株)埼玉事業所(YTRS)

ヨコハマタイヤリトレッド㈱埼玉事業所は「みよしグリーンサポート隊」の活動に2015年11月より参加しています。みよしグリーンサポート隊は「平地林の保全整備を通じて豊かな心のふれあいをめざし、住みよい街づくり」をスローガンに活動をしています。活動日は毎月第3日曜日で、地域住民、企業が毎回20名くらい参加しています。「藤久保の平地林」には江戸時代から続く落ち葉から堆肥を作る循環型農法(歴史的環境)と生物多様性(優れた自然)が今も息づいています。2015年度、活動地区の一部が緑のトラスト保全第14号地に認定されました。緑のトラストとは埼玉県のすぐれた自然や歴史的環境を後世に残すため、住民・企業・団体などの協力で公有地化し保全していく活動です。
枯れ損木の伐採と片付け(2020年7月19日)
里山の草取り、ごみ拾い(2021年4月18日)
枯葉の堆肥づくり・・沢山のカブトムシの幼虫が住んでいます

ヨコハマタイヤリトレッド(株)名古屋事業所(YTRN)

2020年から生物多様性活動の新たな取り組みとして地域の環境保全活動に参加しています。近隣の境川源流に貴重な生態系が残っており地域の方々と生態系の保全と観察活動を行い、その活動内容を多くの方々にPRする取り組みも行っています。昆虫・植物・鳥類など観察を通じ、春夏秋冬の変化や四季の様々な活動から学び発信することにより、残さなければならない自然の大切さを地域の方々と共有し、生物多様性への理解を深めていただく活動となっています。私たち従業員は活動から学んだことを多くの方々に伝える事で人材の育成や生物多様性活動・環境保全に貢献出来る事業所を目指し活動を継続しています。
境川源流域でのビオトープ創生
休耕田の再生
里山と湿地の整備

ヨコハマタイヤ・マニュファクチャリング・タイランド(YTMT)

タイのタイヤ工場であるYTMTは、工業団地内に立地しています。日本の工場と異なり、工業団地が取水および排水を一括管理していることから、工場単独での取水・排水域への影響は確認できていません。そこで、敷地内の緑地(千年の杜やビオトープ)を評価するための鳥類、昆虫類のモニタリングを実施しています。工場敷地内で豊かな生息環境を再生するために湿地型および池沼型の2種類のビオトープを作成しています。また水面と地面との生き物のつながりを保つための植栽にも工夫を加えています。地域の生物の生息域を確保するとともにこの活動を通じて、従業員の環境教育も行っています。また、ラーニングセンターとして、環境や生態系を守る意識を高めるため、近隣の学校の児童・生徒及び外部の方に生物多様性についての教育も行っています。
ビオトープでの昆虫調査
ビオトープでの昆虫調査
ヘリグロホソチョウ(Acraea violae)

Y.T.ラバー(YTRC)

YTRCはタイ南部のスラタニ県に位置する、横浜ゴムグループで唯一の天然ゴム加工工場です。
天然ゴムの加工工程では多くの水を使用しますが、当社では100%リサイクルすることで、水資源の有効活用を実現しています。
また、生産量の増減に合わせた水使用量の適切な調整を自動化することで総量を減らし、併せてエネルギーの低減に努めるとともに、沈殿・浄化池の効率を高め、近接河川と同レベルの水質維持を実現しています。
敷地内には大きな遊水池があり、その周辺を含めて工場建設以前からの自然環境維持に努めています。
2014年11月より月1回の頻度で、遊水池における魚類の生息状況と水質のモニタリングを継続して行っています。雨期の増水時には、遊水池と近接するタピー川がつながることもあり、最近の調査では従来の18種に加え、新たに3種の魚類の繁殖が確認できました。
また遊水池を囲む森では、これまで21種類の鳥類が観察されています。今後は引続きタピー川との環境統一化に配慮し、水質の維持改善だけでなく、適切な種の魚類放流も含めた活動を行ってまいります。
調整池での生物多様性活動
投網を使った魚類の捕獲調査

杭州横浜輪胎有限公司(CHZY)

CHZYは中国杭州市内の工業団地に立地しています。工業団地内は緑地帯が確保されているものの構成樹種が少なく、多様性は豊かではありません。そのためCHZYの千年の杜が森林性の生物に対する生息地になるのではとの観点から千年の杜の評価とそこに住む生き物の調査を行っています。より素敵な生態環境を作るため、2020年度3月12日(植樹節当日)に管理職の皆様がチームメンバーとして会社外周一周回ってゴミを拾いました。
また、政府の環境保護政策の一環で、CHZY所在エリアの近辺に土地(面積:約2,000平米)を「優科豪馬養護林」として管理を任されています。2013年より毎年3月の植樹節に近隣住民や小学生と植樹活動を行っており、2020年度計20本の木を植えました。これまでの植樹本数は合計120本となりました。

ヨコハマタイヤ・フィリピン(YTPI)

YTPIはフィリピン共和国パンパンガ州クラーク特別経済区内に位置しているため、周りにはまとまった森林がありません。YTPIでは工場敷地の内外で木を植え育てることで地域の野鳥、昆虫、蝶および特定の爬虫類の生息場所を提供することによって生物多様性保全に寄与しています。これらの生き物と植物の成長を観察し、生き物と従業員の安全性と快適性が共存できるようにしています。
さらに、YTPIは森林と生物多様性の保全に関する従業員の意識を高めるための教育資料を作成し、説明会を開催しています。近隣の生態系の改善を促進するために地域のコミュニティへの苗木の提供、工場外での植樹活動の開催や従業員の参加も行われています。
YTPIが隣接しているアンヘレス市は独立行政法人国際協力機構(JICA)が指摘した「集中的な消費による水利用が危機的な都市化地域」のうちの1地域とされ、環境NGOのグリーンピースの報告では水不足のレベルは「危機的」と評価されています。アンヘレス市では2025年にも水不足に陥る危険性があるとされています。そのため、2017年にアンヘレス市のEdgardo Pamintuan市長の呼びかけにより、市の流域を復活させるため水源域のSapang Batoに100万本の木を植える活動が立ち上がりました。YTPIはこの活動に賛同し、この地域での植樹活動に参加しています。

Yokohama Tire Manufacturing Virginia(YTMV)

YTMVはアメリカ合衆国の東部、バージニア州のアパラチア山脈の麓、日本同様の四季を感じられる自然豊かな場所に位置します。工場の敷地に植えた千年の杜の成長に伴い数多くの野生動物や野鳥が生息しています。これらの自然環境の保全と生産活動を両立させていく活動を行っています。
2015年からEastern Bluebird(和名:ルリツグミ)の繁殖保護のための巣箱を設置し全従業員でヒナの生育を見守っています。
ルリツグミのための巣箱
ルリツグミ

蘇州優科豪馬輪胎有限公司(CSZY)

中国蘇州市の化学工業地区にある蘇州優科豪馬輪胎有限公司(CSZY)では、2016年12月から新区環境保護協会、滸関鎮の小学校と合同で生物多様性活動をスタートしました。2019~2020年に、「省級環境保護信任企業」は江蘇省に公認されました。
2020年に3回(5月・10月・11月)、工場内の環境教育基地をベースに、敬恩実験小学校の学生、家族および教師、CSZY従業員(3回163名)を参加し、共同で生物多様性の調査活動を行いました。生物多様性の調査活動は、工場敷地内の生物環境の状況を把握できるほか、工場での事業活動を進めながら地域の生態系を保全し、地域社会との調和にも役立てることができます。
これまでの活動では、スズメ、シラサギなどの鳥類、ナンキンハゼ、ハナカイドウ、イボタノキ、タンポポ、アサガオ、ヒナギクなどの植物、ミツバチ、蝶などの昆虫、ミミズなどを観察しました。その中で木の種を拾い、千年の杜活動のための苗として育てる活動も行っています。このような生き物の観察だけでなく、千年の杜の成長状況を知ることができた調査活動は千年の杜の成長が地域の生態系に良い影響を与えていることの理解を深める良い機会となりました。
生物多様性活動に参加した皆さん
生き物を観察する敬恩実験小学校の児童

LLC Yokohama R.P.Z.(YRPZ)

2017年からボロネジ州立林業大学とともにマツの1種(Pinus Sylvestrys L.)を工場敷地内に植樹する共同研究を開始しました。この活動は工業地帯でマツの木がどのように成長するかを研究することとYRPZの生物多様性を復元することを目的としています。また、この活動は生物多様性研究活動として正式に評価されています。YRPZとボロネジ州立林業大学の林業科学者は、樹木の生存率、樹木の生長に最適な条件などを研究しています。さらに、地元の学校の生徒に、グローバルイベント「Green Wave」の枠組みの中で植樹への参加を呼び掛けています。
植樹の様子
植樹したマツの苗

Yokohama Tyre Vietnam Inc.(YTVI)

YTVIでは工場敷地内での千年の杜活動のノウハウを活かし、2018年からLo Go - Xa Mat (LGXM) 国立公園においてSouthern Institute of Ecology (SIE)とともに植樹プロジェクトを開始しました。約1ヘクタールの土地に7種類の在来種500本を植えてきました。植えた木により3年間で樹冠が形成され林内に棲息する動物の種類が年々増加している事が確認されています。植えられた木の保護と調査のためにYTVIの役員から新入社員まで3年間に合計94名が取り組んできました。2020年には年2回の調査のうち10月の調査を担当し、また枯れた木の補植を行いました。

課題と今後の改善策

これまでは、横浜ゴムグループの事業活動の影響を受ける地域に生息する生物種の把握を中心に活動してきました。今後は海外拠点への展開と、各事業の地域の生物多様性保全の維持・改善を行い、持続的な操業につなげていきます。
生物多様性は一般の人にとってはまだなじみのない概念であるため、モニタリング活動や保全活動への参加によって、従業員に生物多様性保全の大切さへの理解を深めていくことと、地域への情報発信を積極的に行うことによって当社の取り組みを理解していただく活動を進めていきます。