地球環境のために

天然ゴムの安定した調達の実現に向けた取り組み

天然ゴムを持続可能な資源とするために

タイヤをはじめとする横浜ゴムの製品をお客さまに絶やすことなく提供するためには、天然ゴムの安定した調達が不可欠です。また近年、世界的な人口増加とモビリティの発展により、タイヤの主原料である天然ゴムの需要はますます増加しています。その一方で違法な森林伐採や土地収奪、人権侵害などの問題、森林破壊や違法伐採による生物多様性への悪影響などが懸念されています。
当社はタイヤ・ゴムメーカーとしての社会的責任を認識し、2017年に国際ゴム研究会(IRSG)※1が提唱する天然ゴムを持続可能な資源とするためのイニシアティブ(SNR-i)※2の趣旨に賛同し活動に参画しました。また、持続可能な発展のための世界経済人会議(WBCSD)※3のタイヤ産業プロジェクト(TIP)※4が主導して立ち上げた、持続可能な天然ゴムのためのプラットフォーム(GPSNR)※5に創設メンバーとして参画するとともに、同年10月に独自に「持続可能な天然ゴムの調達方針」を策定しました。

天然ゴムのサプライチェーン

本方針を関係するサプライチェーン全体で共有し、天然ゴムの持続可能性の実現を目指します。

「持続可能な天然ゴムの調達方針」を制定

「持続可能な天然ゴムの調達方針」は、当社グループが取り組むこととサプライヤーへの依頼事項を、トレーサビリティ構築、人権・労働・環境保護などの各項目にわたって記載しています。また、当社子会社のY.T.ラバー(YTRC)が周辺農家に対して普及支援を行ってきたアグロフォレストリーの取り組みや、「YOKOHAMA千年の杜」活動で培ったノウハウの提供など、当社グループ独自の取り組みも盛り込んでいます。本方針の実施状況はWebサイトで公開しています。公正な事業慣行

「持続可能な天然ゴムの調達方針」の概要

トレーサビリティの向上

  • 児童労働・強制労働の禁止
  • 高炭素蓄積地の保護(森林破壊ゼロ)
  • 泥炭地の開発禁止
  • 生物多様性の保全
  • 土地の権利でのFPIC原則順守

横浜ゴムのこれからの取り組み

当社グループは、天然ゴムの持続可能性の実現に向けて独自の活動を展開してきました。天然ゴムの生産国であるタイでは2013年から現地の複数の大学と天然ゴムの共同研究を進めているほか、天然ゴムサプライヤーを対象とした交流会(サプライヤーズデー)を実施しています。
また、天然ゴム加工工場であるY.T.ラバーでは、工場内で使用した水を循環して使う循環浄化システムを導入し、自然環境や近隣住民との信頼関係の維持に努めています。
今後は「持続可能な天然ゴムの調達方針」にのっとった活動を、サプライチェーンの皆さまと共に確実に推進し、CSRの重要課題の一つに掲げた「バリューチェーンを通じたCSR活動の推進」のさらなるレベルアップを図ります。

国際的環境NGOから横浜ゴムへの期待

公益財団法人世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)
自然保護室森林グループ
古澤 千明氏

世界の森林は毎年760万haという速さで今も減少しています。その理由の一つには農林産物生産の拡大があり、非持続的な森林の利用は生態系の損失や社会紛争、気候変動問題にもつながっています。
自然資源に由来するさまざまな調達において、環境や社会に与える影響を確認し、より持続可能な生産と利用を目指す動きは「当たり前」になりつつあります。天然ゴムも例外ではなく、原料のトレーサビリティや農園の開発や管理が与える負荷を可能な限り軽減しようとする動きが進み、とりわけ2018年10月のGPSNR発足と、横浜ゴムを含む多数の企業が自社の調達方針を策定したことは大きな出来事でした。
WWFは、持続可能な調達を実施する第一歩は明確な調達方針の策定であり、調達における意思決定はもちろん、サプライヤーや投資家、NGOなどのステークホルダーとのエンゲージメントでも重要だと考えます。しかし調達における持続可能性の追求は決して容易ではなく、時間のかかる取り組みです。横浜ゴムも方針の策定はスタートラインにすぎず、今後は自社サプライチェーンやGPSNRなどとの協働を通じて、方針の運用を着実に進められることを期待します。

TOPIC

太陽光発電の導入(ヨコハマタイヤ・フィリピン)

気候変動問題への対応として、低炭素エネルギーの導入が欠かせません。そこで2019年上期に、二国間クレジット制度を活用した太陽光発電システムを導入しています。
日照時間が最も長い場所の屋根から4,000kW(4MW)クラスの太陽光発電パネルを設置しており、その面積は約40千㎡となります。稼働後のCO2削減効果は約2.8kt/年と算定し、フィリピン工場でのCO2排出量が約3.5%程度削減できる見込みです。

稼働後のCO2排出量 約3.5%削減