ロードバイクの100kmライドにアドバイス。プロロードレーサーに聞いてみた

片山右京氏が率いる自転車プロロードレースチーム「Team UKYO(チーム右京)」。今回は初めての”100㎞ライド”をテーマに、持って行くべきものやライドの楽しみ方、帰宅後の自転車のメンテナンスについて聞いてみました。
2021.11.18

100kmから立派なロングライドです

自転車ビギナーにとっては最初の難関となる100㎞ライド。「100㎞なんて車でも結構な距離だもの」と感じてしまいますが、実は自転車に乗り慣れてくると意外と走れてしまう距離でもあります。

さらに熟練したサイクリストになると200㎞を走破する人も現れ、「100㎞なんてスグスグ。ロングライドでもないよ」と言われてしまったり……。ええっ、じゃあ100㎞って自転車ではよくある距離なの?

「いや、100㎞はロングライドでいいと思いますよ」と、教えてくれたのはTeam UKYOの選手のみなさん。

「だってランニングで考えると10㎞でもすごい距離じゃん」(小山選手)
「一般的な人からすると100㎞って一大決心して走る距離じゃないですか? 僕らでいうと一大決心は200㎞くらいかな」(宇賀選手)

普段のレースではオーバー100㎞を高強度で長時間走り続ける選手も、一般人の100㎞はロングライドだと太鼓判を押してくれました。

「感覚の違いだと思う。一般的な人の50㎞はオレらの10㎞とか。でもランニングで考えるとフルマラソンなんて考えられない距離だし」(小石選手)

走り方や楽しみ方によって体感距離は異なるもの。その中で初心者にとって100㎞を自転車で走りきることは、サイクリストとしての自信に繋がる一歩ではないでしょうか。

選手でもカフェライドを楽しむことも

100㎞走ると決めたものの、長時間走り続けるにはモチベーションも必要です。多くの選手はトレーニングと割り切って、峠へ行ったり、メニューをこなすことが多いそうですが、中には違う方法でモチベーションアップを図る選手も。

「カフェを目指して走る、みたいなこともしています」(石原選手)

トレーニングの中に目的地としてカフェを組み込み、気分を上げているのだとか。カフェや名物料理、絶景ロードや頂上などなど……自分のモチベーションを上げるコースを組んで、100㎞を楽しく走り続けるのも大切なポイントです。

初めてのロングライドに持って行くべきもの

ライドコースが完成したら、次は当日持参する持ち物を用意しましょう。

補給食

自転車は消費カロリーの多いスポーツです。想像以上に体力を使うため、気付けばエネルギーを使いすぎてしまい、ハンガーノックと呼ばれる症状に襲われることも。そうならないためにも、道中で食べられるよう補給食を携帯しましょう。
サイクルショップやスポーツショップでは素早く高カロリーを摂取できる補給食や、疲労回復に効果のあるクエン酸入りの補給食など、幅広いタイプが発売されています。しかしゆったり走るようなライドであれば、おにぎりやパンなど身近な携行食でもOK。

「おまんじゅうや羊羹を持っていったりしています」(宇賀選手)

選手間でも補給食は好みが分かれるところで、それぞれ好きなものをライドに持っていくそうです。

工具

ライド先でメカトラブルに見舞われたときのために、携帯工具は必ず持参するようにしましょう。

「六角レンチ4、5、6mmはまじでエースっすよね」(小山選手)

という言葉通り、自転車で使用される六角ネジの多くは4〜6mm。Team UKYOの選手によると、出動回数が多い3本なので紛失率も高く、出先のホームセンターで購入することもあるとか。

パンク修理セットorチューブ

パンクは自転車と切っても切れない関係にあるトラブルのひとつ。チューブに開いた穴を塞ぐためのパッチやのりがセットになったパンク修理セットや、替えのチューブ、携帯ポンプも持参するようにしましょう。

またいざというときに焦らないように、ライドへ行く前にパンク修理の方法を練習しておくのも大切です。

スマホがあればお財布がなくても

出先で飲み物や食べ物を買うために、これまでは最低限の現金やカードを持つのが一般的でしたが、電子決済が浸透してきた今、その事情も変化しつつあるようです。

「基本的に現金は持って行きません。電子決済できないところでは買わないので」(小石選手)

首都圏や都市部では電子決済に対応する店や自販機が増えたこともあり、スマートフォンだけ持って行くという方法もありそうです。一方で地方でトレーニングする場合には現金しか使えないことも考えられるため、走るルートによって取捨選択するのがよいでしょう。

他にも。100㎞走るならサイクルジャージ上下を着用するのがおすすめ。サイクルパンツ(レーシングパンツとも)はインナーパッドが入っているため、お尻の痛みを防いでくれる効果があります。

【教えてTeam UKYO】ロードレーサーはどんなサイクルウェアがお好き?

サイクリング時の服装について詳しくはこちら記事をご覧ください。

雨予報が出ていたら? 冷えを防止するために

当日の天気予報も要チェックです。突然の雨や長い下り坂では体温が奪われ、体力が削られてしまう可能性も。仮に雨予報が出ているのであれば、冷え防止のためにベストやウィンドブレーカーを持参するのもよいでしょう。

「体幹を温めてくれるのでベストはおすすめです。撥水性のあるウィンドブレーカーなどもあり便利ですよ。小さくたためば背中のバックポケットにも収納できるので」(小石選手)

突然の雨で何も準備がない! というときには、応急処置としてビニール袋を活用するのもありだそうです。

「雨でのダウンヒルはかなり寒くなってしまうので、ウェアと素肌の間にビニール袋を挟んで冷えを防いでいます。かなり蒸れるので下った後はすぐに取り除きますが。これ以外にもビニール袋は使えることもあるので、持っていて損はないと思います」(宇賀選手)

自転車はその日の天候によってコンディションが左右されるスポーツです。天気予報や目的地の状況を確認しながら、フレキシブルに判断できると良いですね。

初めてのロングライド、自信をもっていってらっしゃい!

今回は初めての100㎞ライドへ出かけるまでのチェックポイントを見ていきました。実際にロングライドに挑戦することによって、新たな自転車の楽しさが発見できるかもしれません。

アドバイスをくれたTeam UKYOの選手のみなさんは、普段ロードレースでものすごい距離を信じられない強度で競っています。自転車に乗りながら、選手たちの活躍に思いを馳せるのも乙なライドでしょう。

Team UKYO公式サイト

http://www.teamukyo.com/

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