手ぶらでOK!初心者でも簡単!おいしいワカサギ釣りのススメ

【釣り入門】アウトドア系の趣味において、長年上位にランクされているのが釣りだ。昨今はきれいに整備された施設が増えたこともあってか、いわゆる〝釣りガール〟を現場で見掛けることも少なくない。そんな老若男女が楽しめる釣りを子供と一緒に試してみたいけれど、道具は何を揃えたらいいのか、そもそも釣れるのかが不安……。そんなフィッシングビギナーの皆さんに、味覚でも楽しめる芦ノ湖のワカサギ釣りを紹介しよう。
2018.12.20

芦ノ湖のワカサギは宮内庁に献上されているブランド魚

成魚の全長は15cmほど。淡泊な味の食用魚として知られ、全国各地の河川や湖沼に生息しているワカサギ。氷上の穴釣りが有名なことからも漁の最盛期は冬で、10月から翌年3月までが釣りシーズンとなっている。

神奈川県箱根町にある芦ノ湖は県内最大の湖で、都心からクルマで2時間弱とアクセス良好だ

そんな冬が最盛期のワカサギだが、箱根町にある芦ノ湖では8月から12月までが本番。水面標高が723mと高いために夏でも水温が低く、関東では最も早い時期から楽しめるフィールドとして知られる。しかも、ここで捕れるワカサギは宮内庁に献上されているブランド魚。チャレンジしがいがあるというものだ。

芦ノ湖のある箱根町は関東有数の観光地。風雨が激しく釣りが困難な状況でも、周辺には箱根神社など観光スポットが目白押しなので、せっかくの休日を無駄にする心配なし。電動アシスト自転車のレンタルも魅力。

道具は持っていないけど大丈夫?初めてでも釣れる?

かつてバスフィッシングにハマっていた筆者だが、ワカサギ釣り用の道具は一切持っていない。
とりあえずクーラーボックスと長靴だけをクルマに積み込んで芦ノ湖へ。

元箱根エリアにはパーキングが点在しており、有料と無料がある。
ワカサギ釣りは長時間駐車することになるので、できれば後者を選びたい。

やってきたのは箱根神社の門前であり、箱根駅伝でも有名な元箱根。
大きな赤い鳥居を眺めつつ、たまたま視界に入ったボート店に飛び込む。

箱根神社の至近にあるボート店、フィッシングショップノザキ。
週末は3人乗り以上のボートが家族連れに人気で、予約だけで一杯になることも。

「ワカサギを釣りたいんですけど、道具は一切なくて……」。気が良さそうなお姉さんにそう告げると、
「大丈夫!貸し竿はあるし、仕掛けもエサもあるよ」と、快く応じてくれた。
レンタルのローボートが2人乗りで3500円。
これに遊漁料1300円(高校生以上)、貸し竿1本、仕掛けとオモリを2セット、エサとなる赤虫代で、
締めて6430円となった。

700円でお借りした竿はスピニングリール付き。一人1本が原則で、船釣りの場合は2本まで
仕掛けは胴突きのサビキと呼ばれる針がたくさん(14本!)付いたもの。
フィールドごとに針の大きさや数が異なるなど推奨の仕掛けが存在するため、現地調達をお勧めする。
店で貸し出しているライフジャケット(救命胴衣)を着用し、いざボートへ!

一投目から鈴なり!3桁オーバーも夢じゃない

スタッフが操船するエンジン付きのボートに曳航され、5分ほどでポイントに到着

ボートに乗り込むと、エンジン船でワカサギの釣れるポイントまで曳航してくれる。この間に仕掛けを竿側のライン(釣り糸)につなぎ、針に赤虫を刺しておく。スタッフは魚群探知機で魚影の濃い場所を見定めてローボートのアンカー(いかり)を下ろしてくれるので、これが済んだらいよいよワカサギ釣りのスタートだ。

エサは赤虫(ユスリカの幼虫)を使用。胴体に針を貫通させるのがポイントだ。
ヤラセなし。一投目から6匹のワカサギとご対面!

「オモリが着底するまでラインを送ってください」と、スタッフに言われるがままに仕掛けを湖に沈めていく。水深は15メートルほど。アタリ(エサへの食いつき)を知らせるウキなどはなく、竿から伝わる感触だけでそれを察知する。こう書くとかなりハードルが高そうに思われるが、着底するかしないかの段階からラインの先に小さな生命体がいるであろう微振動が伝わってくるので大丈夫。そして、恐る恐るリールを巻き上げると、一投目から6匹のワカサギが釣れてしまったのだ。まだ針に赤虫が残っているのでワカサギを外してすぐに仕掛けを下ろす。すると二投目も鈴なりだった。まさに入れ食い状態だ。

針に付いたワカサギをニジマスなどが捕食することもしばしば
ニジマスが釣れたことで仕掛けが絡まった状態に。オモリも含めてスペアは必須だ。

アワセ(ラインを引っ張って針を魚の口に掛ける動作)は特に必要なく、プルプルッという感触が伝わってきたら一定のスピードでリールを巻き上げるだけ。ただ、釣れてくると人間は欲が出てくるもので、一度にたくさん釣りたいからとしばらく仕掛けを放置していると、針に付いたワカサギをニジマスやブラックバスが捕食することも。こうなるとせっかくの仕掛けは一巻の終わりだ。アタリがあったら手早く釣り上げるのが無難だろう。ちなみにこの日の釣果は、昼前からの3時間弱でワカサギ43匹とニジマス1匹。筆者としては大満足だが、ボート店の店主である野崎茂則さんによると、早朝から粘れば100匹オーバーは余裕とのことだ。

本当にお手軽、だからこそ注意すべき点は?

本当に手ぶらで楽しむことができたワカサギ釣り。とはいえ、注意すべき点はいくつかある。まずは大型船が通過したあとに発生する引き波で、これによってローボートが大きく左右に揺れる(過去に筆者はこれで落水した経験あり)。また、仕掛けやエサを補充したりトイレに行くなどの際は桟橋まで戻る必要があるので、そうならないで済むような準備をしておきたい。さらに、湖面を渡る風はかなり冷たいので、夏でも一枚羽織れるものを用意したほうがいいだろう。

ボート店のお勧めは定番の天ぷら。果たしてお味は?

釣り上げてすぐにクーラーボックスの氷で締めたので鮮度抜群!

ボート店にワカサギの調理方法を聞いたところ、やはり天ぷらが最高とのこと。そこで自宅に帰ったあと、さっそく天ぷらと唐揚げでいただいてみた。

左が唐揚げ、右が天ぷら。揚げたての熱々を抹茶塩でいただいた

調理されたワカサギは骨が全く気にならないほどにフワフワで柔らかく、淡泊な味の中にワタの上品な苦みがアクセントとして利いている。特に揚げたては箸が止まらなくなるほどだ。なお、ワタは下顎からまとめて引き抜くことができるので、苦味が嫌いというお子さんがいらっしゃるご家庭はひと手間かけてあげるといいだろう。

芦ノ湖は12月14日まで。それ以降のお勧めエリアを紹介

芦ノ湖での釣りは12月14日までで、それ以降は禁漁期間となる。とはいえ、全国的にワカサギ釣りの本番はこれからだ。

都心からアクセスしやすいワカサギ釣りスポットして知られるのが、千葉県市原市にある高滝湖。ここは10月中旬に解禁となり、3月末まで楽しめる。また、氷上の穴釣りに挑戦したい方は、都心から日帰り可能な場所として群馬県の赤城大沼や榛名湖、長野県の松原湖や霊仙寺湖などが挙げられ、どのエリアでも竿などの道具がレンタル可能だ。

ビギナーでも存分に楽しめるワカサギ釣り。ぜひご家族でデビューを!

この記事を書いたライター

大屋雄一

スーパーカーブームを肌で知るフリーランスライター。スキーやスノボ、バスフィッシングなど一通りの趣味にのめり込み、今も残っているのがモーターサイクルと自転車。現在は主にその2つのジャンルで執筆中。かつてスーパー耐久参戦チームの裏方をした経験あり。

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