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2020年度連結決算は減収減益も、第4四半期は過去最高益

代表取締役社長 山石 昌孝

新型コロナウイルス感染症拡大が大きく影響

2020年度の日本経済は、第2四半期までは新型コロナウイルス感染防止のための各種規制や個人消費の悪化により景気は大きく減速しましたが、政府や自治体の経済活動活性化策などによる経済活動の再開により景気は緩やかに回復しつつあります。海外では中国は景気回復を持続していますが、米国、欧州などは新型コロナウイルス感染の再拡大による活動抑制で不透明な状況が続いています。こうした中、当期の売上収益は前期比12.3%減の5,706億円、事業利益は同26.6%減の368億円、営業利益は同37.8%減の364億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は同37.3%減の263億円となりましたが、第4四半期は大きく回復し利益面で過去最高益となりました。期末配当金は当初予定通り一株当たり32円とし、年間では一株あたり64円としました。2021年度は売上収益6,200億円(前期比8.7%増)、事業利益500億円(同35.9%増)、営業利益505億円(同38.7%増)、当期利益345億円(同31.1%増)を計画しています。

「GD2020」で財務体質を改善

2020年度で3カ年の中期経営計画「グランドデザイン2020(GD2020)」が終了しました。同計画の下、タイヤ消費財事業は「プレミアムタイヤ市場における存在感の更なる向上」、タイヤ生産財事業は「オフハイウェイタイヤ(OHT)を成長ドライバーとして次の100年の収益の柱へ」、MB事業は「得意分野への資源集中」を掲げ、各事業の強みを再定義した成長戦略を実行しました。その結果、タイヤ消費財事業は市場でのプレゼンスを向上させることができ、タイヤ生産財事業は2016年度に買収したATGの力強い成長で売上における構成比率を計画以上に高めました。MB事業は得意分野の自動車部品と海洋商品において北米での自動車用ホース配管の納入拡大に加え、世界最大の超大型空気式防舷材を納入しました。しかしながら新型コロナウイルス感染症拡大により、当初目標の売上収益7,000億円、事業利益700億円は未達となりました。一方で財務体質は着実に改善しました。ATG買収時に3,359億円だった有利子負債を2020年度には2,078億円まで大幅に削減した結果、D/Eレシオは目標の0.6倍に対し0.5倍、また、営業キャッシュ・フローは2,000億円(3年間累計)に対し2,365億円、配当性向は30%に対し39%となりました。

「YX2023」をスタート。「深化」と「探索」を推進

「GD2020」の終了を受け、2021年度から2023年度の新中期経営計画「Yokohama Transformation2023(YX2023)」をスタートしました。「YX2023」では既存事業の強みの「深化」と100年に1度の大変革期である市場変化の取り込み、つまり「探索」を同時に推進していきます。現在、タイヤ市場は乗用車用などのタイヤ消費財とトラック・バス用、農業機械用などのタイヤ生産財に大別され、市場規模はおよそ半々となっています。 しかし、今後「CASE」「MaaS」「DX」が浸透するにつれて個人消費の車の減少と人や物の移動を支えるインフラ車両の増加が進み、これによってタイヤ消費財の生産財化が進むと考えています。このような市場の変化に確実に対応するべく「深化」と「探索」の2つのアプローチによる戦略に取り組みます。

成長戦略の遂行と経営基盤の強化

タイヤ消費財では「高付加価値商品の比率を最大化」を掲げ、高付加価値商品の主力であるグローバルフラッグシップブランド「ADVAN」、SUV・ピックアップトラック用タイヤブランド「GEOLANDAR」、そして「ウィンタータイヤ」に注力し、3カテゴリの販売比率を高めて(深化)いきます。そのため①ADVANとGEOLANDARの新車装着の拡大、②補修市場でのリターン販売強化とウィンタータイヤを含む商品のサイズラインアップ拡充、③各地域の市場動向に沿った商品の販売を強化する「商品・地域事業戦略」を進めます。タイヤ生産財では「市場変化を取り込み、事業をさらに強化」を掲げ、大きな市場変化の取り込みとして新たな提供価値を「探索」するため①コスト、②サービス、③DX、④商品ラインアップの拡充といった4つのテーマに取り組みます。また、OHT事業、TBR(トラック・バス用タイヤ)事業強化に取り組みます。MB事業では強みであるホース配管事業と工業資材事業にリソースを集中してMB事業の成長をけん引し、安定収益を確保できる構造を確立します。一方、経営基盤の強化として持続的な成長に欠かせない「人事戦略」や「ESG経営」などを強化します。

過去100年の集大成を目指す

2023年度の財務目標として過去最高の売上収益7,000億円、事業利益700億円(利益率10%)を掲げました。D/Eレシオは0.4倍、ROEは10%、ROICは7%、営業キャッシュ・フローは2,500億円(3年間累計)を目標とします。さらに2025年度には2006年度から2017年度の中期経営計画「GD100」で成し得なかった売上収益7,700億円、事業利益800億円を達成し、過去100年の集大成とすることを目指します。なお、「YX2023」の詳細な内容は特設ページをご覧ください。

当社は新中期経営計画「YX2023」を着実に遂行し、世界中のお客様からさらに信頼される企業として成長してまいります。株主の皆様におかれましては、さらなるご支援を賜りますようお願い申し上げます。

2021年3月