ロードレーサーのトレーニングって? プロ選手が教えるロードバイクに必要な体作り

片山右京氏が率いる自転車プロロードレースチーム「Team UKYO(チーム右京)」。今回はプロ選手の一年間やトレーニング方法、さらにトレーニングする上でのコツをお聞きしました。プロだから特別なことをしている、というのは大間違い。そこには地道な練習を日々努力を積み重ねる選手の姿がありました。
2021.11.18

ロードレース選手の1年とは?

ロード選手の1年の流れは主にレースのオンシーズンとオフシーズンに分かれています。

ロードレースのシーズンが開幕するのは3月頃。6月までレースが続くハードな時期を乗り越えたら、7~8月は暑さを考慮しレース数も少なくなります。夏場は避暑地で調整とトレーニングをしコンディションを整えたら、9月〜11月のシーズン後半がスタート。12月から2月までの冬季はオフシーズンとなっています。

オンシーズン

オンシーズンとなる3月〜11月は、レースでの疲労をリカバリーをしながら、次のレースに備えます。シーズンが始まると常に消耗との戦いになるため、強度の高いトレーニングは避け、コンディションのメンテナンスとパフォーマンス向上を目指します。

オフシーズン

オフとなるのは12月〜2月と7〜8月。強度の高いトレーニングで、来季に備えてベースアップを目標にトレーニングへ取り組みます。

有酸素と無酸素から考えるオフシーズンの過ごし方

トレーニングで欠かせない観点のひとつに有酸素・無酸素があります。

「無酸素運動は比較的早く効果が出ると言われていますが、負荷がきついんです。一方有酸素は低負荷ながら、年中続けなければいけなくて。最近は冬(オフシーズン)に無酸素トレーニングを行うのが主流ですね。ひと昔前は冬は有酸素運動という考え方が一般的でしたけど」(小石選手)

トレーニングメニューをこなして強度を上げる選手もいますが、中には冬にレースシーズンを迎えるシクロクロス(以下CX)* に出走するという選手もいます。その1人が宇賀選手です。

*シクロクロスとは:障害物が設置されたオフロードコースを決められた時間内に何周回できるかを競う競技。もともとはロードレース選手のオフシーズン中の練習として始まった競技とも言われている。
「シクロクロスは約1時間でレースが終わるので、週末のレースは練習という名目で出走して、限界まで心拍を上げています。平日はゆったり長距離を乗るイメージですね」(宇賀選手)

ホビーレースに参加する上でも、有酸素・無酸素の考え方、オフシーズンの過ごし方は大切です。目標とするレースで結果を残すために、プロの考え方を取り入れてみてもよいかもしれません。

基本は個人練習です。トレーニングから見える”プロ意識”

プロ選手は普段どのように練習に取り組んでいるのでしょうか?

「選手もみな住んでいる場所も別々なので、それぞれ個人でコーチングを受けて練習しています。走行中のデータをオンラインのプラットフォームにアップロードして、それをコーチが分析し、パーソナルに合ったトレーニングを続けています」(小石選手)

                 小石選手

一般的にスポーツ選手というと、チームで集まって練習しているようなイメージがあるかもしれませんが、ロードレース選手は個人練習が基本。専属のパーソナルトレーナーを付けて、それぞれの特性に合った練習をしています。

また近くに住む選手同士であれば、時間を合わせて一緒に峠まで行き、現地ではそれぞれ個人のトレーニングをこなすケースもあるそうです。

「チームで練習する機会は、合宿やレース期間だけですかね。でもチームに依存する選手はプロではないと思います。プロなら1人ひとりしっかりと自立し練習環境を整えて、レースに来たらそれぞれ仕事をするだけですから」(小石選手)

レースで結果を残すために、日々個人でトレーニングを重ねるのがプロ選手のあるべき姿。トレーニングの考え方からプロロードレーサーとしての意識が垣間見えます。

ロードレーサーの理想体型とは?

プロロードレーサーといえば、ランナーやスイマーとは違う独自のアスリート体型をしています。ロードレースにとっての理想の体とは一体どんなものなのでしょう。

「ホビーでヒルクライムに特化している方は、減量を第一に考えることもあると思うのですが、ロードレースで考えると痩せればいいということではないんです」(小石選手)

ロードレースは長時間を高強度で走り続けるエンデュランススポーツ。スピードやテクニックはもちろん、ここぞというときにペダルを踏めるスタミナやパワーも勝敗を喫する要因のひとつです。

上りもあれば下りもあり、選手同士の駆け引きもあり……というロードレースの特性を考えると、痩身に特化しすぎるとパワー不足に陥る可能性があるのです。

それぞれの選手の体は日々のトレーニングやレースが生み出した肉体美です。レースを観戦するときには、選手の走り方や特性はもちろん、体型にも注目してみると面白いかもしれません。

実践できる!プロ選手からの体作りアドバイス3つ

プロだからこそ自分の体への気配りは欠かせません。今回はホビーライダーも実践できる体作りのコツを聞いてみました。気になる方法はぜひ取り入れてみてくださいね。

血糖値が一定になるように

体脂肪を減らそうとライドをする際は、ご飯を抜くのではなく、ご飯の量を減らし、ライド中も細く長く食べ続けた方が良いと小石選手は言います。

「血糖値のバランスを保つ方が、体にとっても負担にならず疲労感も感じにくいです」

ライドをしながらまめにおにぎりやパン、補給食を食べ、血糖値が一定に保たれるよう意識するのがポイントです。

食べるなら洋菓子ではなく和菓子を!

「甘いものを食べるなら洋菓子ではなく和菓子がおすすめ」と宇賀選手からのアドバイス。脂質という観点から洋菓子と和菓子を比較すると、多くは和菓子の方が脂質が低い傾向にあります。そのため宇賀選手の補給食はおまんじゅうのことが多いのだとか。

「セブンイレブンのようかんもおいしいっす。喉越しが良くていいっすよね」(小山選手)

と、選手によって好きな補給食もさまざま。脂質を意識しつつ、好みの味を探してみてくださいね。

体質に合うサプリを見つける

「おれご飯食べなくても太る。たぶんおれが飲んでいる水にはなぜかカロリーがある(笑)」と、話す小山選手のレコメンドはサプリメントの活用でした。

                 小山選手

「これがおすすめですね。(おれの場合は)痩せます」

同じ物を食べても人によって吸収効率や体質は異なるものです。ベストなコンディションに整えるために、サプリメントを利用するのもひとつの手でしょう。

一流の若手を目指して。Team UKYOの挑戦はこれからも

今回は自身とチームの勝利のためトレーニングする選手の姿にクローズアップしました。

ロードレースは日本ではまだマイナースポーツですが、欧州を中心に伝統的なスポーツとして多くの人々に愛されています。そこにはロードレースならではの競技性や戦略性、選手1人ひとりの個性など、見れば見るほどハマっていく要素がたくさんあるのです。

「Team UKYOは一流の若手が集うチームを目指してレースに挑んでいます」

これからもTeam UKYOの活躍をチェックしてみてくださいね!

Team UKYO公式サイト

http://www.teamukyo.com/

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