ロードレーサーのトレーニングって? プロ選手が教えるロードバイクに必要な体作り
ロードレース選手の1年とは?
ロード選手の1年の流れは主にレースのオンシーズンとオフシーズンに分かれています。
ロードレースのシーズンが開幕するのは3月頃。6月までレースが続くハードな時期を乗り越えたら、7~8月は暑さを考慮しレース数も少なくなります。夏場は避暑地で調整とトレーニングをしコンディションを整えたら、9月〜11月のシーズン後半がスタート。12月から2月までの冬季はオフシーズンとなっています。
オンシーズン
オンシーズンとなる3月〜11月は、レースでの疲労をリカバリーをしながら、次のレースに備えます。シーズンが始まると常に消耗との戦いになるため、強度の高いトレーニングは避け、コンディションのメンテナンスとパフォーマンス向上を目指します。
オフシーズン
オフとなるのは12月〜2月と7〜8月。強度の高いトレーニングで、来季に備えてベースアップを目標にトレーニングへ取り組みます。
有酸素と無酸素から考えるオフシーズンの過ごし方
トレーニングで欠かせない観点のひとつに有酸素・無酸素があります。
「無酸素運動は比較的早く効果が出ると言われていますが、負荷がきついんです。一方有酸素は低負荷ながら、年中続けなければいけなくて。最近は冬(オフシーズン)に無酸素トレーニングを行うのが主流ですね。ひと昔前は冬は有酸素運動という考え方が一般的でしたけど」(小石選手)
トレーニングメニューをこなして強度を上げる選手もいますが、中には冬にレースシーズンを迎えるシクロクロス(以下CX)* に出走するという選手もいます。その1人が宇賀選手です。


ホビーレースに参加する上でも、有酸素・無酸素の考え方、オフシーズンの過ごし方は大切です。目標とするレースで結果を残すために、プロの考え方を取り入れてみてもよいかもしれません。
基本は個人練習です。トレーニングから見える”プロ意識”
プロ選手は普段どのように練習に取り組んでいるのでしょうか?
「選手もみな住んでいる場所も別々なので、それぞれ個人でコーチングを受けて練習しています。走行中のデータをオンラインのプラットフォームにアップロードして、それをコーチが分析し、パーソナルに合ったトレーニングを続けています」(小石選手)

一般的にスポーツ選手というと、チームで集まって練習しているようなイメージがあるかもしれませんが、ロードレース選手は個人練習が基本。専属のパーソナルトレーナーを付けて、それぞれの特性に合った練習をしています。
また近くに住む選手同士であれば、時間を合わせて一緒に峠まで行き、現地ではそれぞれ個人のトレーニングをこなすケースもあるそうです。
「チームで練習する機会は、合宿やレース期間だけですかね。でもチームに依存する選手はプロではないと思います。プロなら1人ひとりしっかりと自立し練習環境を整えて、レースに来たらそれぞれ仕事をするだけですから」(小石選手)
レースで結果を残すために、日々個人でトレーニングを重ねるのがプロ選手のあるべき姿。トレーニングの考え方からプロロードレーサーとしての意識が垣間見えます。
ロードレーサーの理想体型とは?
プロロードレーサーといえば、ランナーやスイマーとは違う独自のアスリート体型をしています。ロードレースにとっての理想の体とは一体どんなものなのでしょう。
「ホビーでヒルクライムに特化している方は、減量を第一に考えることもあると思うのですが、ロードレースで考えると痩せればいいということではないんです」(小石選手)
ロードレースは長時間を高強度で走り続けるエンデュランススポーツ。スピードやテクニックはもちろん、ここぞというときにペダルを踏めるスタミナやパワーも勝敗を喫する要因のひとつです。
上りもあれば下りもあり、選手同士の駆け引きもあり……というロードレースの特性を考えると、痩身に特化しすぎるとパワー不足に陥る可能性があるのです。
それぞれの選手の体は日々のトレーニングやレースが生み出した肉体美です。レースを観戦するときには、選手の走り方や特性はもちろん、体型にも注目してみると面白いかもしれません。
実践できる!プロ選手からの体作りアドバイス3つ

プロだからこそ自分の体への気配りは欠かせません。今回はホビーライダーも実践できる体作りのコツを聞いてみました。気になる方法はぜひ取り入れてみてくださいね。
血糖値が一定になるように

体脂肪を減らそうとライドをする際は、ご飯を抜くのではなく、ご飯の量を減らし、ライド中も細く長く食べ続けた方が良いと小石選手は言います。
「血糖値のバランスを保つ方が、体にとっても負担にならず疲労感も感じにくいです」
ライドをしながらまめにおにぎりやパン、補給食を食べ、血糖値が一定に保たれるよう意識するのがポイントです。
食べるなら洋菓子ではなく和菓子を!

「甘いものを食べるなら洋菓子ではなく和菓子がおすすめ」と宇賀選手からのアドバイス。脂質という観点から洋菓子と和菓子を比較すると、多くは和菓子の方が脂質が低い傾向にあります。そのため宇賀選手の補給食はおまんじゅうのことが多いのだとか。
「セブンイレブンのようかんもおいしいっす。喉越しが良くていいっすよね」(小山選手)
と、選手によって好きな補給食もさまざま。脂質を意識しつつ、好みの味を探してみてくださいね。
体質に合うサプリを見つける
「おれご飯食べなくても太る。たぶんおれが飲んでいる水にはなぜかカロリーがある(笑)」と、話す小山選手のレコメンドはサプリメントの活用でした。

「これがおすすめですね。(おれの場合は)痩せます」

同じ物を食べても人によって吸収効率や体質は異なるものです。ベストなコンディションに整えるために、サプリメントを利用するのもひとつの手でしょう。
一流の若手を目指して。Team UKYOの挑戦はこれからも

今回は自身とチームの勝利のためトレーニングする選手の姿にクローズアップしました。
ロードレースは日本ではまだマイナースポーツですが、欧州を中心に伝統的なスポーツとして多くの人々に愛されています。そこにはロードレースならではの競技性や戦略性、選手1人ひとりの個性など、見れば見るほどハマっていく要素がたくさんあるのです。
「Team UKYOは一流の若手が集うチームを目指してレースに挑んでいます」
これからもTeam UKYOの活躍をチェックしてみてくださいね!
Team UKYO公式サイト