島内初の源泉掛け流し! 注目の日帰り温泉「種子島温泉 赤尾木の湯」

宇宙に一番近い島、種子島。ロケット打ち上げにサーフィンに、密かに観光客で賑わう鹿児島の離島、種子島の日帰り温泉を紹介します。
2018.11.12

歴史に天文にアニメに。気になる島の玄関口に日帰り温泉誕生

鉄砲伝来にロケット発射場——世界遺産・屋久島のお隣にある種子島は、天文ファンをはじめ、歴史ファンやアニメファンで近年密かに湧く離島です。美しい海岸線と海、サトウキビ畑と風車が広がる風景は、ドライブするだけでも心躍るもの。離島愛好家の筆者も数年前に種子島に惚れ込み、何かにつけて何度も再訪しています。

種子島までは鹿児島空港から飛行機で30分、鹿児島南埠頭より高速船で1時間35分、カーフェリーで3時間40分。島の玄関口である西之表港すぐの場所に、今回紹介する日帰り温泉「赤尾木の湯」があります。到着後に長旅の疲れを癒やすのもよし、滞在の夜をのんびり過ごすのもよし。タオル片手にさっそく訪問です!

なんと言っても島内初の源泉掛け流し!

西之表市街地にある提灯揺れる赤い建物が「赤尾木の湯」です。平成28年に島内初となる源泉掛け流しの温泉としてオープンしました。

入口脇には無料で利用できる足湯もあります。

新設の温泉施設ということもあり、建物内は清潔感満点でアメニティ等も充実しています。浴室には大内湯と露天風呂、スチームサウナ、水風呂と一通りの設備が揃っているのも嬉しいポイントです。

そしてなんと言っても見逃せないのが泉質。触れれば「柔らかい」と感じるお湯は、地下1500メートルから掘り出したナトリウム—炭酸水素温泉です。Ph7.5~8の弱アルカリ性で、いわゆる美人の湯としてクレンジング効果も期待できます。一方で風呂から上がるとどんどん乾燥してしまう傾向にあるお湯なのでしっかりとした保湿をお忘れなきよう!

いざ入湯。ここは、極楽に一番近い場所だった

さてそれではお楽しみの入浴タイム! ちなみに筆者のマイブームは『38~40度のぬる湯に長時間浸かること』だったので、源泉掛け流し(加温なし)の露天風呂には期待大です。

まずは内湯から。加温ありということで、少し熱めのお湯(おおよそ42度ほど?)に全身を投げ出すと、疲労がトロトロと溶かされていくようでした。柔らかい手触りのお湯もばっちりです。夏場ということもあり、熱く感じたため数分で切り上げます。

そして期待の露天、足を浸けた瞬間——これだっ! 思わず戦慄が走ります。
源泉温度は40度と成分表には明記がありますが、この日の温度計には38度との表示が。泉質と相まってぬるめのお湯が、どんどん全身に染みこんでくるようです。先ほど内湯で溶かした疲労が、どんどん外に放出されていくような感覚に陥ります。ああ、たまらな〜い。
長時間浸かり、体が火照ってきたら外のベンチで休憩をする…を繰り返すこと30分。さあ残すはサウナと水風呂です。

さて、少々サウナが苦手な方でもトライして頂きたいのが、こちらのスチームサウナ。蒸気で満ちた室内では、ドライサウナのようなキリキリと迫る熱さではなく、幾重にも重なったヴェールが全身を包み込むような熱さを体感できます。

いつものサウナよりも長めに体を温め、熱が満ちたら水風呂で一気に解き放つ! ぬるすぎもせず冷たすぎもしない、ちょうど良い温度の水風呂が待ち構えています。これぞ至福の極み。種子島まで来た甲斐があったというものです。

種子島の風呂上がりは「ヨーグルッペ」で決まりでしょ

風呂上がりにはビン牛乳、というのは誰もが知る様式美ですが、ここは種子島。ご当地飲料でグイッと決めちゃいましょう。今回頂くのは乳酸菌飲料の「ヨーグルッペ」です。

元々は宮崎で生まれた乳酸菌飲料でしたが、今では全国に広がり各地で愛されています。種子島を舞台にしたアニメーション映画「秒速5センチメートル」やゲーム「Robotics;Notes」にも登場し、ファンの間では聖地巡礼的な意味合いとしても有名です。(筆者とヨーグルッペの出会いもアニメでした)
お味はすっきりとした甘さの乳酸菌飲料。火照った体のクールダウンにも最適です。何よりも「遠くの町へ来たのだな…」という旅情に浸ることができます。

旅とは切っても切り離せない日帰り温泉。宇宙と近い種子島の、極楽に一番近い場所を発見しちゃいました。

施設情報

種子島温泉 赤尾木の湯
営業時間:06:00~23:00(最終受付22:30)
休館日:年中無休(臨時休業あり)
入浴料:通常料金/大人(中学生以上)800円・島民割引/大人600円

「種子島温泉 赤尾木の湯」公式サイト

この記事を書いたライター

大城実結


フリーランスライター・編集者。自転車や地域文化、一次産業、芸術を専門に執筆している。紙雑誌やWeb媒体問わず活動中。イラストや漫画も発表。月の半分は日本のどこかにおり、その土地の温泉や酒、食材に唸る日々が続く。

Webサイト:miyuo10qk.wixsite.com/miyuoshiro



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