
クルマ好きとクルマ馬鹿の違いは、なにか?
たとえば、クルマの調子がいいとクルマ好きは幸せな気分になるけれど、クルマ馬鹿は逆に不安になったりもする。おかしい、エンジンの調子が良すぎてイヤな予感がする、と。クルマ馬鹿は心配性なのである。
一方で、エンジンオイルが漏れていたりすると、こりゃ大変だ、とクルマ好きは焦るけれども、な~にオイルが入っている証拠さ、とクルマ馬鹿は安心したりする。時にクルマ馬鹿は楽観主義者であったりもするのだ。
異常は、たまに起こるから異常なのであって、いつものこととなれば、もはやその状態を異常とは呼ばず、それが正常であり日常的なこととなる。
なにが異常で、なにが正常なのか。クルマ好きとクルマ馬鹿とでさえ違うのだから、ましてや「ダイバーシティ(多様性)」が注目される世の中とあっては、人によって感じ方が異なることを理解しておく必要がありそうだ。
自分のフツーが、はたして世の中のジョーシキなのかどうか。さらには、そのジョーシキとやらも今や疑ってみたほうがいいみたい。最近のニュースを見ていると、つくづくそう思う。
ここ数年は、毎年のように季節を問わず「異常気象」という言葉が登場する。豪雨、酷暑、大雪……。毎年が異常なのなら、もはやそれがこの国にとって正常なのか。
令和に生まれた子どもらにとっては、夏は40℃近くになるものだし、雪は2mも積もるもの。春は必ずやって来るのだから、上がらない雨はないのだから、なんて誰かを励ましながら、ホントにそうだろうかと、ふと不安になったりもする。
なにが正常なのかわからなくなったら、自分を信じるほかありませんね。
異常気象が続くと、いろいろ困ることが出てくる。たとえば、衣替えのタイミングがわからなくなる。春に冬日、秋に夏日があるとなれば、長袖も半袖もいつまでも仕舞えない。
さて、愛車のタイヤの交換はどうする?
とくに、冬タイヤから夏タイヤへの履き替えのタイミング。洗車した途端に雨が降り出すのはよくある話しだけど、今や、もう大丈夫だろう、なんて履き替えた途端に雪が降ったりもするわけで。
気象庁の統計によると、1981年から2010年までの30年に東京で「最後に雪が降った日」の平均値は3月11日。そして、同じ30年間の東京の「桜の開花日」の平均値は3月26日。どうやら桜が咲いたら、さすがに雪は降らないようだ(正常な気象であれば)。
だとするなら、タイヤの衣替えはこう覚えておこう。
「吹雪には冬タイヤ、桜吹雪には夏タイヤ」
クルマ好きにもクルマ馬鹿にも、桜は同じように咲く。
この記事を書いたライター

自他ともに認めるクルマ馬鹿であり、「座右の銘は、
現在の愛車は手に入れたばかりのジムニーシエラと、