どっかへ、思い立ったら日帰りドライブ!

どっか行きたい。たいがいのドライブの、いちばん初めは、そんなひと言から始まるのではないだろうか。
2019.09.25

どっか行きたい。

たいがいのドライブの、いちばん初めは、そんなひと言から始まるのではないだろうか。「今度の日曜は、どっか行きたい!」と息子なり娘なりが主張する。「たまには、どっか行きたいわ」と奥さんなり彼女なりが、ぶつくさ言い出す。あるいは自分で、つぶやく場合もある。「あぁ、ひとりで、どっか行きたい……」。

最初から「そうだ、京都いこう!」なんて叫ぶ人は、あまりいない。「どっか行きたい!」という思いこそが、まずはドライブの出発点なのである。だから、目的地は「ここではない、どっか」。どこでもいい、と言いたいのではありません。「どっか行きたい!」と思い立って、「ここではない、どっか」に出発できたなら、行先はどこであろうと楽しいに違いない、ということ。

思い立ったら、いつでも、だれとでも出発できるクルマだからこそ、その楽しさを叶えられる。電車では「いつでも」というわけにはいかないし、オートバイでは「だれとでも」というわけにはいかない。気楽な日帰りドライブでもいいじゃない。思い立ったら出発しよう。クルマで「ここではない、どっか」へ。

そんな日帰りドライブを、これまでたくさん楽しんできた。お店などの具体的な目的地を決めて出発したドライブもあるし、ただ走るために走り出したこともある。ご参考までに、僕がこの2年間に行った日帰りドライブは、ざっとこんな感じである……。

那須高原にパンを買いに行く……
木曽の奈良井宿に散歩をしに行く……
銚子の浜辺に昇る朝陽を見に行く……
勝沼に甲州ワインを買いに行く……
富士山麓を抜け吉田うどんを食べに行く……
真夜中に思い立って、横須賀まで走る……
沼津に海鮮かき揚げ丼を食べに行く……
北アルプス山麓の林道を走る……
山梨の里山で黄金色の田園風景を走る……
長野の美ヶ原高原に雲海を見に行く……
静岡の田子の浦海岸に星空を見に行く……
南伊豆に満開の河津桜を見に行く……
埼玉は坂戸の木造沈下橋を渡る……
静岡の大井川鐡道にSLを見に行く……


高速代とガソリン代と食事代くらいしかかからない、われながら慎ましく気楽なドライブばかりだけど、どのドライブも忘れられない。満開の桜も、満天の星空も、満腹の海鮮かき揚げ丼も。「ここではない、どっか」には、必ず思いがけない出会いや感動があった。

いずれも出発地は東京で、距離にすれば半径200km圏内といったところだろうか。日帰りで大阪まで往復したこともあるが、それはドライブというより、もはやストイックな移動だった。たんなる移動なら新幹線でいい。居眠りできるし、ビールだって飲める。だけど、景色がいいからちょっと停まって、というわけにはいかない。

日帰りドライブでは「高速道路が混まないうちに早く帰ろう」と言う人も多いけれど、みんな同じことを考えるわけで、だから早く帰路についたところで結局は渋滞につかまることになる。なので、いつも現地で夕飯をすませ、温泉にでも入って、ゆっくり帰ってくることにしている。お金と時間は、できるだけ現地で使ったほうが地元の人にも喜ばれる。

カーナビに「ここではない、どっか」と入力しても検索はしてくれない。その目的地も、行き着くためのルートも無数にあるから。だからこそ、移動ではなくドライブなのだろう。条件は、ただひとつ。あなたが「どっか行きたい!」と思い立つことである。

この記事を書いたライター

夢野忠則

自他ともに認めるクルマ馬鹿であり、「座右の銘は、夢のタダ乗り」と語る謎のエッセイスト兼自動車ロマン文筆家。愛車は一万円で買った90年式のVWゴルフ2と、数台のヴィンテージバイク(自転車)



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