トップメッセージ

代表取締役社長 山石 昌孝

企業と社会、両方の持続可能性を
追求していきます。

代表取締役社長

山石 昌孝

先行き不透明な世の中に対して

皆さまもご存じのとおり、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の大流行により、2020年に入ってからこれまでのような事業活動ができなくなっています。横浜ゴムも従業員の安全を最優先に考え、各国政府の通達に従って、国内外の移動の制限や工場の操業停止などの措置を取りました。これらの対策は、情報を得た2020年1月から、新型コロナウイルス対策本部、およびリスクマネジメント委員会にて横浜ゴムグループとしての方針「社員とその家族、お取引先の健康と安全を最優先に考える」、「事業と業務への影響を最小限に抑える」を発信したことから始まります。3密を避けるためのリモートワーク(在宅勤務)やWEB会議などのIT環境の整備、時差出勤や時間単位の休暇取得などの制度改正や従業員の行動に関するガイドラインの発行、そして状況変化に応じた見直しを適宜行いました。その上で、各部門や拠点が、効率的な業務遂行のためのあらゆる方策に取り組むことで、被害や感染が最小限に抑えられていると感じています。
しかし、世界を見渡すとまだまだ感染症の収束には予断を許さない状況であり、国内外の経済活動は大きな変動が続くことが予想されます。
タイヤはエッセンシャルグッズであり、社会に不可欠な製品を提供する使命があります。また、コンベヤベルト、マリンホースなど社会のインフラを下支えする多くの製品を取り扱っていることから、サプライヤーとしての供給責任を果たしてまいります。そのため、事業運営において必要不可欠な費用を見極めつつ、臨機応変かつ迅速な生産・サービスの提供ができる体制を強化してまいります。

不確実な時代を生き抜く独自のCSR経営

2018年度からスタートした3カ年の中期経営計画「GD2020(グランドデザイン2020)」は、2019年度で2年目が終了しました。「GD2020」の位置づけは、横浜ゴムの強みを再定義し、独自路線を強めた各事業の成長戦略を通じて経営基盤を強化し、来る2020年代におけるさらなる飛躍に備えることです。2019年度も最終年度の2020年度に向けて弾みをつけるべく、各事業の成長戦略を力強く推進するとともに、ESG活動※や働き方改革など経営基盤の強化に取り組みました。
まず、各事業では成長戦略の実行に取り組みました。タイヤ消費財事業では「プレミアムカー戦略」においてハイインチ高性能タイヤを中心に各種プレミアムカーへの新車装着を拡大しました。また、「ウインタータイヤ戦略」では、日本でオールシーズンタイヤの販売を開始。北米には乗用車用とSUV向けにそれぞれスタッドレスタイヤを投入するなど意欲的に新商品を投入しました。走る楽しみを伝える「ホビータイヤ戦略」では米国「SEMA Show」のタイヤアワードを独占するなど世界市場で高い存在感を示しました。
タイヤ生産財事業では、農業機械用や林業機械用などのオフハイウェイタイヤ(OHT)において、アライアンス・タイヤ・グループ(ATG)の製品が、農林業の土地を傷めず植物の成長を損なわない浮力性能に優れた構造や高いオンロード性能との両立などが評価され、ドイツの世界最大の農業機械展で銀賞を受賞。トラック・バス用タイヤも省メンテナンス性や積載量向上に寄与する超扁平シングルタイヤの生産拡大を進め、当社成長の柱として、強化しています。
MB事業では、世界最大の超大型空気式防舷材の納入を開始し、海洋事業の確固たる世界No.1を目指して海運の安全に貢献しています。
経営基盤の強化では「財務体質の改善」「企業風土の変革」「リスクマネジメント」などに努めています。近年、重要性が一段と高まっているESG活動では、再生可能エネルギーの活用拡大や環境貢献商品の開発推進、持続可能な天然ゴム調達の実現に向けた農園支援や労働状況の調査、独立社外取締役や外国人取締役の登用などに取り組みました。また「多様な人材活用」「仕事と生活の両立支援」を軸に社員の働き方改革も進めています。当社のESG活動は国際的な環境非営利団体「CDP」の「気候変動Aリスト2019」に選定されたほか、ESG投資の世界的指数「FTSE4Good Index Series」に15年連続で選ばれるなど世界的に高く評価されています。
しかし、2019年の暖冬や自然災害の発生、2020年のCOVID-19を含め、地球や社会を取り巻く変化は大きく、我々はそのリスクと機会を正しく認識する必要があります。その上で、事業展開地域のニーズを的確に捉え、各拠点では防災・安全を含む事業継続計画(BCP)の深化を図ります。また、新たな働き方では、当社が目指す姿、そのための各自のミッションと行動を明確にしつつ、チームとして連携し、やりがいを高めていきたいと思います。

「なくてはならない企業」として世界のお客さまから必要とされるために

COVID-19の影響が収束した後にも、以前と同じ生活や社会に戻ることはないことも念頭におかないといけないかもしれません。それは、「多くの問題を抱えた元の生活ではなく、多くの方々が充実や満足を感じられる新たな働き方・生き方」を求める価値観の変化であり、お客さまの購買行動も変化していくでしょう。

私は社長就任時より「創業守成」について話をしています。内部改善(守成)と成長戦略(創業)を同時に推進することが、社会と環境そして事業の持続可能性に関わる課題解決につながります。
当社は、雇用を守り、従業員とその家族、そして周りの方々の健康と安全を確保しつつ、そのような価値観の変化に沿った持続可能な経済発展を目指す企業として取り組んでまいります。
具体的には、ゴム農園が持続的に天然ゴムを生産し、我々が安定した供給を得るためにも、タイの天然ゴム公社や取引先と協力して、勉強会や肥料提供、アグロフォレストリー農法の普及をさらに進めます。また、YOKOHAMAまごころ基金を活用し、多くのNPOと連携し、関連の問題解決に貢献してまいります。

全社安全防災大会2019

このように、さまざまな社会問題の解決に自分たちが優先して何をすべきか、国際的な社会課題の解決を目指す「持続可能な開発目標=Sustainable Development Goals(SDGs)」や国連グローバル・コンパクト(UN-GC)、そして世界経済人会議(WBCSD)とも協調して進めてまいります。
そして、これからの当社の取り組みについて、ポストGD2020で示してまいります。
当社はステークホルダーの皆さまとの連携・協業を通して、その事業活動がSDGsに資するよう、気候危機、森林破壊、農業・食料、サプライチェーン上の人権問題など我々を取り巻くリスク、そして新たな社会での機会に対応する事業ビジョンとして発表し、皆さまと共有してまいります。
最後に、「安全・品質・コンプライアンス」は当社の全ての活動の大前提であることを、今一度全員で再確認し、災害や感染症の発生や拡大防止に全社一丸となって徹底して取り組んでまいります。ステークホルダーの皆さまと共にこの苦難を乗り越えていけますよう、ご協力をよろしくお願いいたします。