第三者意見

当意見は、本レポートの記載内容、同社の各担当者へのヒアリング、および現場視察に基づいて執筆しています。

アパショナータ.Inc

代表&コンサルタント

パク・スックチャ氏(Joanna Sook JaPark)

アパショナータ:ワークライフバランスとダイバーシティを推進するために2000年に設立。無意識の偏見・ダイバーシティ(多様性)・テレワーク(在宅勤務)など、多くの企業の人材活用や意識改革を支援している。

ハマゴムエイコムにおける健康経営

労働集約型のIT業界では「人材は唯一無二の資産」。情報処理サービスを担うハマゴムエイコム(株)は、健康経営を進めるため、健康づくり宣言を制定してホームページに公開することにより、経営・管理職のコミットメントと全従業員の共通認識を持ったことを評価する。推進体制を確立し、取り組み内容の振り返りや取得データの変化等を把握し、進捗状況を確認。生活習慣課題への取り組みは、定期健康診断のフォロー100%、適正体重維持者率75%や喫煙率20%等の目標数値を公表するなど、会社の本気度が表れている。テレワーク、シェアオフィス、シフト勤務、フリーデスク化等、多様な働き方と職場環境の充実、また、全社イベントやクラブ活動補助等コミュニケーションの促進にも力を入れている。複数のISOを取得したことで健康管理のPDCAサイクルが回しやすい環境もあった。女性向け健康セミナー、日常の心身状態に関するアンケートなど前年度の結果を受け、新たに取り組んでいる。今後は健康認証の継続とグループ会社の展開を期待したい。

ダイバーシティの取り組み

2016年に女性の活躍を前進させるために発足した「女性活躍推進タスク」は、2019年に社会変化に対応すべく多様な人材を対象とする「ダイバーシティ推進タスク」と名称を変えパワーアップした。対象者は拡大したが、タスク方針は発足当時から変わらず「多様な働き方を認め合い、長く働きやすい会社を目指す」という一貫性がある。
男女問わず利用できる拡充した在宅勤務制度、フレックスタイムのコア時間撤廃や従業員の育児・介護に関わる課題への迅速な対応を可能にした相談窓口の設置、等が提供された。実施したセミナーも予定回数より多く、受講者も役員から一般社員までと幅広い。異業種との交流も図られた。また、外国人、障がい者、LGBT等、従業員の多様化が進むに伴い、管理職向けのダイバーシティ・マネジメント力向上に向け教育研修を提供していることを評価する。
障がい者の積極的な雇用を促進するヨコハマピアサポートでは、緊急事態宣言期、マスク不足に対応するため、従業員が使用するためのマスク制作を行い、会社から配給されるマスクを他の必要な人に譲ることができた。新型コロナウイルスの影響でこれまでの「常識」が激変する中、今後は多様な従業員のさらなる活躍と新しい価値創造のためのさまざまな施策の展開を期待したい。

(株)日本政策投資銀行 執行役員

産業調査本部副本部長兼経営企画部サステナビリティ経営室長

竹ケ原 啓介氏

1989年日本開発銀行入行。フランクフルト首席駐在員、環境・CSR部長等を経て現職。環境省 中央環境審議会臨時委員等公職多数。

CSRレポート2020は、GRIガイドラインやISO26000などに基づき特定された5つの重要テーマに則して貴グループの多様な取り組みを紹介しています。課題毎に取り組む意義やKPIを分かりやすく配置し、ポイントを絞ったコンパクトな解説を付すなど、幅広いステークホルダーを対象に、読みやすさを強く意識して編集されていることが分かります。他方、Webサイトには、GRIスタンダードに準拠する形でCSR活動が詳細に開示されており、媒体を使い分けることで、より深く知りたい読者の関心に応える構造になっています。一連の開示を一つの体系としてみれば、本レポートは、貴グループのCSR活動に関する、幅広い読者に向けたエクゼクティヴ・サマリーのような役割を担っているといえるでしょう。以下、この観点からレポートを拝見した印象をお伝えします。
巻頭の企業理念とCSRスローガンは、このレポートのコンテンツを一覧化すると共に、WEBとの橋渡しを行う重要な役割を担っています。多岐に亘る情報をコンパクトに圧縮しているが故に、このページの情報を眺めるだけでは、CSRスローガンに込められた貴社の思いや、なぜ5つの重要テーマがマテリアルなものとして特定されたのか、などの深い部分が読者には十分伝わらないことが懸念されます。WEBも含めて、改めてCSRスローガンの策定プロセスやその背景にある貴社の考えを提示することは有意義だと思います。併せて、価値創造の流れや中長期の事業戦略など、アニュアルレポートの情報も加えると、ESG投資家の関心をより意識した形になり、社長メッセージで強調されている「創業守成」に込められたCSR経営像がより強調されるように思います。
これに続く事業と製品の紹介では、セグメント毎に事業の概要が主要製品と共に紹介されています。貴グループの売上構成と主要な製品を一覧出来る点で資料性の高いページですが、CSRレポートとしてみると、前後との接続をより意識した構成が望ましいでしょう。具体的には、社会での使われ方に焦点を当て、貴社の製品群がそこでどのような課題に関係してくるのか、いわば貴社の手を離れて市場で実現している価値という視点を盛り込むと、後段のコンテンツとの接続もより良くなるように思います。
「サステナビリティ経営におけるリスクと機会」は、続く各テーマの報告を総覧する本レポートで最も重要なコンテンツです。五つの重要テーマが特定された理由やプロセスをどこかで紹介することが読者の理解を深めるうえで有効なのは前述の通りですが、「リスクと機会」の記述と「横浜ゴムの取り組み」の記載内容を融合させ、ビジネスモデルに寄せた「リスクと機会」として示した方が、貴グループの戦略や取り組みが効果的に伝わるように感じます。例えば、「製品を通して(p12)」では、CASE対応やIoT化など、新たなビジネスモデルを予感させる記載があります。これは総括表上、「CASE化に対応した新たなビジネスチャンス」だけでなく、地域社会に分類されている「高齢化・過疎地域におけるモビリティ」、「ニューノーマルにおけるモビリティサービス」など、複数の「機会」に対応します。また、「地球環境保全のために」で紹介されている持続可能な天然ゴム調達は、貴グループにとって環境側面はもとより、人権に関しても大いなるリスク軽減、機会創出とみるべきです。一連の優れた取り組みと、リスク・機会の対応関係を明確にすることで、貴グループの狙いがより明確に伝わることが期待されます。その一環として、各テーマの巻頭に示されたKPIについて、リスクと機会を表現するうえで適切かという観点から検討してみるのも有意義でしょう。
幅広いステークホルダーに対し、貴グループの広範なCSR活動に触れてもらう端緒を提供するという編集意図を十分に満たしたコミュニケーションツールに仕上がっていると思います。読者の理解をより深いものとするための更なる進化に期待します。

第三者意見を受けて

当社グループの取り組みを、深く見ていただいたことに感謝申し上げます。ご意見をしっかりと受け止め、改善につなげてまいります。我々が事業を行う国と地域において、甚大な自然災害や新型コロナウイルス感染症などの発生に対し、従業員の安全第一を基本として、誰もが働きやすくその力を発揮できる場を整えることが最も重要です。そのため、「新しい生活と働き方」に対応した、安心して健康に働ける職場環境づくりをさらに進めます。また、社長メッセージにある「創業守成」の経営方針に基づき、従業員一人一人がCSRスローガン「未来への思いやり」の実現を目指します。すなわち、取引先やお客さまとの協働、環境貢献商品の提供、地域との共生などより強化してSDGsの社会課題の解決につなげてまいります。これらの当社の価値創造プロセスや中長期の事業戦略、およびそのリスク軽減と機会の創出に関する取り組みを、より一層、ステークホルダーの皆さまに分かり易く伝えるように努めてまいります。

執行役員 CSR本部長 近藤 成俊

TOPIC

ハマゴムエイコムの健康経営

ハマゴムエイコム(株)は、横浜ゴムグループで唯一の情報システムサービス業務とする企業であり、横浜ゴムグループのITを担っています。またグループ外の顧客先に駐在しての業務も多く遂行しています。平均年齢は40.3歳、女性社員は24.9%であり、業界の中では比較的女性が多く在籍しています。IT企業である当社にとって、人こそが財産です。一人一人が心身ともに健康でやりがいを感じられる職場づくりを目指し、健康経営に取り組み、健康経営認証を取得しました。
施策としては、健康診断で再検査の必要なD判定の従業員のフォローを徹底し、メンタルヘルスに関しても管理職の知識向上を図り、過重労働対策については毎月の経営会議で状況を共有しています。その他には、ゴルフ部などの活動による運動促進も推進しています。
2019年度には、自由なワークスタイルで新しい発想が生まれることを目指し、オフィスカジュアルやフルフレックスを導入しました。また、スポーツ庁からスポーツエールカンパニー認定も取得しました。今後は、個人の生活の尊重とパフォーマンスの最大限発揮に向けた定年再雇用制度の見直し、次代の社会を担う子どもたちの健全育成を支援するためくるみんマークの取得や健康認証の継続などに取り組み、従業員がより健康的に働ける環境を実現します。

横浜健康経営認証(クラスAAA)

健康経営優良法人(ホワイト500)認定

ゴルフ部コンペ

カート走行会

健康宣言(社外公表指針)

画面を左右に動かすと、表組みの情報がご覧になれます

健康課題 目標値
健康関連 定期健康診断
総合D判定以上へのフォロー 100%
生活習慣 適正体重維持率BMI(18.5~25未満) 75%以上
喫煙率 20%以下
メンタルヘルス メンタル休職者の退職および再休職 0件
過重労働対策 有給休暇取得率 全社平均65%以上
リフレッシュ休暇 期限内取得率 100%
福利厚生関連休暇 取得日数の維持
法定外時間勤務 全社平均18時間以下