MB事業における先駆けの技術

横浜ゴムには、タイヤ以外のMB(Multiple Business)事業でも、主に社会インフラに貢献する技術や製品の開発において長い先駆けの歴史があります。

<ホース事業>

昭和30年代、横浜ゴムは、油圧機器に使用される高圧ホースに「ワイヤーをスパイラル状に巻く新製法」の採用などによって約60%のシェアを獲得しました。昭和40年代には、用途ごとに高圧ホースを設計する独自のシステムを開発。さらに耐用の温度範囲を拡大したことで、軽量化や優れた柔軟性も実現し、油圧機器設計の細かいニーズに対応できるようになりました。

幅3.2メートルのスチールコード・コンベヤベルトが製造できるドイツ製装置を平塚製造所に導入

<スチールコード・コンベヤベルト>

1952年、日本初のコードコンベヤベルトを発表。以来、耐油・耐熱・コンベヤベルト、ビニールベルト、パッケージベルト、難燃性ベルトなど、さまざまなニーズに対応するコンベヤベルトを開発してきました。なかでも、1970年にニューカレドニアのニッケル鉱山に設置された1スパン13.136mの世界最長コンベヤシステムは、当時、世界的な注目を集めました。

<高速道路用ジョイント>

1960年代、オリンピック需要を受けて高速道路の建設が進む中、伸縮性(免震性・変形追従性)や通過時の静粛性など、従来の銅製ジョイントにはなかった特長を備えた新開発の「ロードエキスパンジョンジョイント」を発表。第1号は首都高速道路の浜崎橋で採用され、その後、名神・中央・東名などの高速道路や一般道で次々と採用されていきました。

<プリプレグ技術(航空部品)>

1950年代、横浜ゴムは航空部品事業に参入し、航空機に使用される高圧ホース、ウォータータンク、アルミハニカムパネル、海洋浮力材、航空貨物用防水シート、ラバトリーモジュール(化粧室)などを開発。1973年から研究に取り組んだ航空機用の複合素材プリプレグは、1980年に世界最大の航空機メーカー、ボーイング社にボディ材として日本で初めて認定されました。