久しぶりにラジオを聴いてみよう

*画像はイメージです
2018.05.21

朝起きてリビングに行く。キッチンから微かにラジオの音と、包丁が俎板を叩く「とんとん」という音が聞こえてくる。僕の祖母は毎朝ラジオを聴きながら、朝食の用意をする。なんとなくその音を聞くとほっとするし、今日も祖母が元気であることが伺える。

祖母の姿を見ていると「ラジオの良いところ」とはなんだろう。そんな素朴な疑問が浮かんだ。幸いなことに僕の知人でラジオパーソナリティを務めている方から詳しくお話を聞く機会があった。

①相互通行ができるメディアであること
一方通行的なテレビとは違い、出演者がリスナーに問いかけを行う。リスナーはTwitterなどを駆使してコメントを返し、リアルタイムで会話のキャッチボールを行うことができるのだ。

②邪魔をしないメディアであること
どうしてもテレビや動画をつけてしまうとそちら側に集中力が奪われてしまう。それほど人間の脳は視覚からの情報が重要ということだろう。しかしラジオなら聞き流すことができる。人それぞれのライフスタイルに「邪魔にならないように」そっと寄り添う。そんな優しさをラジオは持っているのだ。

③想像をかきたてるメディアであること
見えないからこそリスナーが「想像」の世界を膨らませることができる。今パーソナリティと出演者さんはどんな表情で語りあっているのだろう。そんなことを自由に想像しながら楽しむこともできるのだ。

④災害時に役に立つメディアであること
ライフラインが途絶え、たとえ電気が使えなくても電池さえあれば使うことができる。2011年に起きた東日本大震災の時も、多くの被災者の方々がラジオを頼りに情報を集め生活していたようだ。

なるほど、いろいろなメリットを再確認できたが、ここで一つの疑問が浮かんだ。「新しいメディアがどんどん台頭する中で、ラジオはこの先どうなるのだろう?」この問いに対して友人はこう答えた。「人と人との強い結びつきが希薄になっていくのではと一部でと心配されている現代社会。そんな時代だからこそ心に何かしら寂しさを持つ方々がいらっしゃる。しかしラジオを聞けばまるで隣に人が座って話しかけてくれているかのような気分になり、心にぽっかりと空いた穴を塞いでくれる。だからラジオは生き残っていけるんです」

僕は正直ほとんどラジオを聴かない人間だが、唯一無性に聴きたくなる場所がある。それがクルマだ。家でラジオを聴いても景色は移り変わらない。しかしクルマは違う。ハンドルを握り運転に神経を集中させながら、移りゆく景色とラジオから聞こえてくる音楽や人の声を楽しむことができる。寂しい時は人の声が聞こえてくるチャンネルを選ぶ。なんだか助手席にその人がいて僕に語りかけてくれているかのようなそんな錯覚を覚えるからだ。反対に一人になりたい時は音楽だけが流れてくるチャンネルを選ぶ。様々なジャンルの曲がちょっと強がっている心を癒してくれる気がする。

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目的地なんか決めない。心に悩みや不安、寂しさを抱えながら夜の街を淡々とクルマで走り続ける時がある。そっとラジオをつけ耳を傾ける。僕が生まれるずっと前の曲だった。曲名は「When a Man Loves a Woman」古臭さなんて微塵も感じなかった。見慣れたいつもの道は夜も遅いことから人通りも少なく、なんだか自分がタイムスリップして異世界に飛び込んだような気がしてわくわくした。初めて聴くその音楽は、光り輝く街のネオンと僕の心に調和し、なんとも言えない心地よい雰囲気に包まれた。
ラジオの魅力を、改めて感じ取った瞬間だった。

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